「プロテインって筋肉痛を早く治すことができるの?」
「運動後の筋肉痛や疲労をどうにかしたい」
こういった疑問にお答えします。
執筆者は
東京大学大学院で博士号(Ph.D.)を取得した管理人です。
本記事の内容
○プロテインと筋肉痛には関連なし
○プロテインよりもBCAAがおすすめ
○筋肉痛や疲労にはマッサージやアクティブレストが効果あり
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目次
プロテインを飲んでも筋肉痛には効果無し

プロテインはカラダ作りをする人には欠かせないサプリメントです。
多くの人が誤解していますので、端的に言いますと、
プロテインを飲んでも筋肉痛の回復には効果がありません。
これは、世界中の研究者が実験に実験を重ね、
数多くの研究から導かれた今現在の答えです。
プロテインの由来は牛乳や大豆から生成されるので
(怪しい業者でない限り)良質なタンパク質を摂取することできます。
良質なタンパク質だからと言って
筋肉痛が回復するわけでないと言うことをよく理解しておいてください。
(肉たくさん食べても筋肉痛は軽減しないでしょ?)
※怪しいサイトにはプロテインで筋肉痛を軽減させよう
みたいに誘導している者もあるので注意が必要です。
筋肉痛のメカニズムは分かっていない
皆さんもご存じのとおり、筋肉痛のメカニズムは未だに不明です。
筋肉痛が生じる理由としては、
○エキセントリック(筋肉が伸びる方)の多用
○負荷が適切でない
の大きく分けて2つが考えられています。
※怪しいトレーナーや
ジムのスタッフは自社製品のプロテインを売るために
筋肉痛が早く治ると謳っていますが大きな間違いです。
筋肉痛にはBCAAが効果を発揮するかも

プロテインは筋肉痛を軽減させる効果がないことは既に明らかですが、
プロテインを構成するアミノ酸のうちBCAAは筋肉痛の改善に
効果を発揮する可能性が示されました。
BCAA(分岐鎖アミノ酸)は必須アミノ酸である
バリン、ロイシン、イソロイシン
の総称であり、プロテインよりも早く吸収することができます。
BCAAの主な役割
○筋肉の合成促進
○筋肉の分解抑制
○エネルギーの代役
タンパク質(プロテイン)より吸収速度が遥かにいいため
リカバリーには適していると言えます。
[関連]BCAAは運動後の筋肉痛や疲労感に効果があるの?(大塚製薬)
大塚製薬の他にも、
海外の研究でBCAAは筋肉痛(正確には遅発性筋痛)を
大幅に軽減させる効果が得られたことを報告しています。
筋肉痛や疲労には
マッサージやアクティブレストが有効

筋肉痛や疲労を回復させるためには
マッサージやアクティブレスト(積極的休養)
が有効であることが明らかになりました。
運動後の代表的なケアは
○ストレッチ
○圧迫
○クライオセラピー(冷却療法)
○電気刺激
等あります。
しかし、効果の大きさは以下のようになります。
筋肉痛を軽減させる効果は、
マッサージ > アクティブレスト > 圧迫
疲労の軽減には
マッサージ+ストレッチ > マッサージ > 水風呂
※日本の法律では無資格者がマッサージを行うことは禁じられていますので
よくよくご注意ください。
アクティブレスト=軽い運動

アクティブレスト(積極的休養)はランニングや散歩、サイクリングなど
軽い運動を行うことを言います。
日本の部活において
非常に軽視されがちな部分ですが、
練習後に軽く走ったり、キャッチボール
シューティングなどの運動は
疲労を翌日に残さない戦略であることを忘れてはいけません。
[関連]“家でゴロゴロ”じゃ疲れはとれない?疲労回復を高める「アクティブレスト」の種類と効果
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まとめ:
BCAA+マッサージ+ストレッチが最強
プロテインは筋肉痛や疲労の軽減には効果を発揮しません。
しかし、BCAAの摂取は筋肉痛へのいい影響が報告されています。
加えて、マッサージ+ストレッチ、
アクティブレストを行うとより良い、と言うことが分かりました。
健康のための運動で筋肉痛や疲労をためてしまっては
せっかくのモチベーションも続きません。
セルフコンディショニングのテクニックを身につけましょう。
