26才男性
「26歳ヒョロガリです。筋肉をつけるためにはまず太ることが必要と聞いたのですが本当ですか?体質的に太りにくいのですが、筋肉をつけたいです!」
こういった疑問にお答えします。
今では筋肉をつけるためにはまず太ること、というのが定説になりつつありますよね。
推察するに、増量期と減量期を繰り返すボディビルダー達の生活の一部を切り取って、「増量すれば筋肉付くのか」という発想に至ったんだと思います。
また一昔前のボディビルダーにまさに同じ考えを発信していた人もいますね。
で、実際どうなん?ってところが多くの国民の悩みどころと思います。
そこでこの記事では「筋肉をつけるためには太らなければいけないのか?」について詳しく解説していきます。
※筆者はボディメイク、運動生理学を大学で教える大学の教員です。多少の私見は入るかもしれません。
目次
筋肉をつけるために太る必要はない
結論から申しますと、「筋肉をつけるために太る必要はない」です。
その理由を以下に解説していきます。
筋肉量は筋たんぱく質の合成と分解のバランスで決まる
専門的な話になりますが、骨格筋量は筋タンパク質の出納バランスで決定されています。
これは我々の分野に於いてはほぼ常識として定着している事実。
筋タンパク質の合成と分解の代謝回転をいかにコントロールできるかが筋肉量を決定します。
筋タンパク質の合成スイッチを押してあげて、それを持続させることがキーです。
同様に、筋たんぱく質分解のをなるべく抑えるような取り組みが重要となってきます。
筋トレが筋タンパク質合成を加速させる最大の武器
筋タンパク質合成のスイッチは大きく分けて2つのパターンがあります。
- 筋トレ
- 食事(たんぱく質)
どちらも生体のアナボリック反応を誘引する重要な行動ではありますが、その効果の大きさには雲泥の差があります。
筋トレによる筋タンパク質合成の持続時間はおよそ24時間〜48時間続きます。
その一方、食事による筋タンパク質合成の持続時間はせいぜい1時間〜2時間程度。
筋肉量が筋タンパク質合成量の合計値で決まることを鑑みれば、筋トレに全身全霊を注ぐことが何よりの最優先事項であることは明確です。
「太る」とはどいうことか?
筋肉をつけるために太ることが必要なコトではないと分かったところで、「太る」とはどいうことかを再認識しておきましょう。
このセクションを読めば、筋肉をつけるために太ることが必要条件ではないことがより明快になるはずです。
エネルギーを使い切れなければ脂肪となって蓄積する=太る
筋肉量の決定が「筋タンパク質合成と分解の出納バランス」であったのに対して、体重の決定要因は「エネルギー収支」となります。
私たちは日常的に食事からエネルギーを補給しています。
同様に生命維持のために動き続ける心臓、脳、または生活活動のために動員する筋活動によってエネルギーを消費しています。
体重の決定要因はこの「摂取エネルギーと消費エネルギーの収支」に他なりません。
つまり、食べ過ぎれば太る。
動かなければ太る。
小食にすれば痩せる。
たくさん動けば痩せる。
たったそれだけのことです。
糖質は敵?味方?
「糖質は太るもとでしょ?」
そう身近な友人知人に聞かれたことがあります。
それほどまでに「糖質=悪」というイメージが世にはびこっています。
結論を申すと、摂りすぎ、減らしすぎが最悪です。
バランスよく摂る分には決して悪さをするような栄養素ではありません。
むしろ、体内の利用可用性の高い栄養素として必須な栄養の1つと言えます。
【関連】筋肉のプロが教える糖質制限ダイエットのメリットとデメリット
脂質はやっぱり減らすべきだよね?
「油脂は要らないよね」
というセリフも同時に聞こえてきました。
ハッキリ申しますと、脂質は生命維持において必須の栄養素です。
したがって減らすことは極めて賢明な選択とは言えません。
同様に、増やしすぎるのももちろんNG。
脂質は1g=9kcalのエネルギーを持つことから糖質(1g=4kcal)たんぱく質(1g=4kcal)と比べて単位あたりは2倍のエネルギー量を持ちます。
そのため意図的に脂質を増やせば想像以上に摂取エネルギーが増えていくということになるため、肥満等の原因になりかねません。
注意
TVやSNSでモデル・芸能人がオリーブオイルやココナッツオイルがカラダに良いから、という理由で炒め物や揚げ物、サラダなどにかけて食べているシーンを散見します。
カラダに良い、とはあくまでもトランス脂肪酸や飽和脂肪酸に比べて心疾患発症リスクが多少低いという点のみであり、付加的にそれらのオイルを摂ることで脂質の総摂取量が増えることによる肥満の危険等を全く度外視しているように思います。
普段使いの脂質をそれらのオイルに変えるのならこの限りではありません。
詳しくは下記記事をご覧下さい。
増量は厳しいトレーニングを課すための通過儀礼
ここまで読んで来られた方はおわかりかと思いますが、改めて言いますと「筋肉を大きくするために太る」ことは必要なコトではありません。
26才男性
「なぜオフシーズンのボディビルダー達はみな太るの?」
と疑問に思っている方もいらっしゃるかも知れません。
この現象について解説していきます。
ボディビルダー達はオフシーズンに太ってはいない
そもそもコンテスト前に激しい減量を行うボディビルダー達はオフシーズンに太ってはいません。
オンシーズン(コンテスト時)が絞れすぎているからオフシーズンが太って見えるだけで、体脂肪率は以前として15%にも満たない程度です。(コンテスト時は5〜8%程度)
体脂肪率15%といえば十分にかっこいいカラダですよ。
意図して太るわけではなく、厳しいトレーニングをするためのエネルギー摂取の結果
ボディビルダー達は意図して太っているわけではありません。
正しい表現は「減量期ではない」です。
減量が始まると摂取エネルギーを少しずつ減らすので激しいトレーニングが行いづらくなっていきます。
特に減量末期については悲惨です。(ここまでやる必要はないと思いますが。)
減量期に筋肉を大きくすることは理論上不可能ではないですが、エネルギー不足により大きくできないのが実状です。
したがって、減量期でない期間にたくさん食べて激しいトレーニングを課して筋肉をデカくすることが必要となってくるわけです。
筋肉をつけたい筋トレ素人へのおすすめはオンラインサロンで学ぶこと
こういった知識をはじめから持っている人などいなく、誰かにどこかに師事して学ぶ必要があります。
かといって有名なトレーナーにいきなり頼むのはハードルが高すぎます。(今で言うと山本義徳やバズーカ岡田、相澤隼人とか)
だからといって本やYouTubeを駆使して独学で学ぶにしてもモチベーションと費用対効果が見込めないはず。
26才男性
「どこで学んだらいいんだよ!」
そういったあなたに個人的おすすめは「オンラインダイエットサロン+YouTubeでの独学」を用いて実施することですね。
YouTubeだけの独学をおすすめしないのは「無料だから」です。
人はある程度身銭を切らないと学ぼうとするモチベーションは上がりません。
そこで「オンラインダイエットサロン」を同時に利用することで必要な知識と結果を出していくことが最も近道であると言えます。
おすすめのオンラインダイエットサロンについては下記にまとめてありますので参考にしてみてください。
【関連】【無料あり】自宅でオンラインダイエットサロンおすすめ5選【徹底比較】
おすすめのYouTubeについては下記の記事をご覧下さい。
筋肉をつけるために太る必要はない
筋肉をつけるために太る必要はありません。
ボディビルダーのようにとにかくデカくしたいならたくさん食べる必要はありますが、そうでなければ太らない程度に多く食べることが重要です。
もちろん、今回は触れていませんがたんぱく質の摂取(プロテイン)を積極的にして行きましょう。
たんぱく質については国際スポーツ栄養学会が唯一推奨摂取量を策定できた栄養素です。
デカくなりたいなら、
- トレーニング
- 食事をバランスよく
- プロテイン(たんぱく質)を積極的に
です。