糖質制限ダイエット

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筋肉のプロが教える糖質制限ダイエットのメリットとデメリット

「糖質制限のメリットは?デメリットは?」

「糖質制限ってホントに痩せるの?」

「糖質制限の危険性について知りたい!」

「糖質制限ダイエット」というフレーズはよく耳にしますね。有名トップアスリートやハリウッドセレブの 「究極ダイエット法」としてメディアに取り上げられたことをきっかけに、一般人にもその手軽さと効果から爆発的に広まっていったのだと思います。


糖質制限ダイエット」というフレーズはよく耳にしますね。有名トップアスリートやハリウッドセレブの 「究極ダイエット法」としてメディアに取り上げられたことをきっかけに、一般人にもその手軽さと効果から爆発的に広まっていったのだと思います。


しかし、この「糖質制限ダイエット」はその背景とメカニズム、そしてリスクを知った上で実施しないと大変怖い存在であることを、メディアは取り上げてくれません。なぜなのかは知りませんが、当ブログも然り、世の管理栄養士や、研究者がこぞって糖質制限ダイエットの危険性について暴露していることを今ここに書きとめておきます。それでは糖質制限ダイエットの歴史から紐解いていきましょう。

 

糖質制限ダイエットの歴史

糖質制限ダイエット

糖質制限食の起源はなんと古代ギリシャや古代インドまでさかのぼることになります。

起源は古代ギリシアや古代インドにまでさかのぼり,紀元前500年にはすでに癲癇の治療法として絶食が用いられていたことが記されている

ケトジェニックダイエットがヒトの健康に及ぼす影響について

もともとは癲癇(てんかん)の治療のひとつとして取り入れられたのが、糖質制限食の始まりということになります。

現代に入り、いわゆる「贅沢病」と揶揄された「糖尿病」の食事療法として、方法論が確立されています。さらに、「肥満症」と診断された患者においても、その他の生活習慣病の発症のリスクが上昇する懸念を払拭するために、糖質制限食を施し、急速な減量を促すといった治療がなされます。

日本において「糖質制限食」を流布したとされるのが京都・高雄病院の江部先生であるといわれています。江部先生は自身が糖尿病に罹患していたことをきっかけに、糖質制限食の開発に勤しみ、自らに実践することで見事糖尿病を克服されてた先生です。

画期的な糖尿病の治療食「糖質制限食」の指導を導入しています。米国糖尿病学会(ADA)によれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。現在糖尿病において、食後高血糖と平均血糖変動幅増大が大きな問題として注目されています。これらが酸化ストレスを生じて、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。

江部 康二

江部先生も強調されておられるように、「糖質制限食」を施すターゲットは「糖尿病患者」、「肥満」、「メタボリックシンドローム」に該当するひとであることを決して忘れてはいけません。

参考までに、江部先生に関連する書籍をご紹介します。

 

糖質制限食≠断糖食

高雄病院のHPを見てもらってもわかるのですが、糖質制限食断糖とぜんぜん意味が違います。数字で表すとその違いが顕著で、

  • 糖質制限食:糖質を減らす(0するとは言ってない)
  • 断糖:糖質を0にする

明確な違いがあります。(言葉のあやかもしれませんが)

 

糖質制限食の危険性

ここからは、「糖質制限食に潜む危険性」について紹介いたします。

論文をご紹介します。

2018年 世界的な臨床医学雑誌であるThe Lancet の枝分かれ雑誌であるThe Lancet Public Health に「Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis (日常的な炭水化物摂取と死亡率:前向きコホート研究とメタ解析)」という論文が掲載されました。

まず、このThe Lancet ですが世界五大医学雑誌の2位として位置づけられている、いわゆる「バケモノジャーナル」です。( the journal has a 2017 impact factor of 53.254, ranking it 2nd after The New England Journal of Medicine in the category "Medicine, General" )

 

①. ARICという大規模な動脈硬化を調べる研究に参加した15,428人の(45-64歳)のアメリカ人を25年間追跡し、全ての死因による死亡率を調べた。

②. ARICに蓄積された432,179人のデータに関して死亡率を調査するためメタ解析をした。

①②に共通して、5群に分けた炭水化物の摂取量(少ない、ちょっと少ない、普通、ちょっと多い、多い)ごとの死亡率を調べた。

その結果、①では25年の追跡で6283人、②では40181人が死亡していた。

驚くべきことに、炭水化物摂取量と死亡率にはU字の関係が認められた。炭水化物の摂取量が1日のカロリーのうち40%未満(少ない)の群と70%以上(多い)群では50%(普通)の群に比べ1.2倍の死亡リスク上昇が認められた。

つまり、炭水化物制限(糖質制限)および炭水化物(糖質)過多の食生活を送っているヒトは、死にやすくなってしまっている、ことがこの研究から明らかになりました。日本のことわざで言うと

過ぎたるは及ばざるが如し

の象徴といえます。

さらに、我々日本人(東洋アジア)は腸内環境が欧米人のそれと全く違うこともわかっています。肉食文化の欧米諸国に比べ日本人に大腸がん患者が少ないということは、食物繊維の豊富な炭水化物を一定量食べていることが関係している可能性が示唆されています。

このことから、炭水化物制限(糖質制限)が孕む危険は、本来遺伝的に作られた体内構造を無視して、破壊してしまうリスクを向上させてしまう、ということを認知しておかなければならないでしょう。

糖質制限食のメリット

 

さて、ここまで非常に暗く沈痛な話でしたが、一転、糖質制限のメリットをご紹介いたします。

上記に、高雄病院のご紹介はさせていただきましたが、糖質制限はダイエットにもってこいの方法です。その効果は抜群で、体重がみるみる落ちます。短期間で結果にコミットしたい方にとってこれほど魅力的なダイエット法はありません。

ただし、そのリスクはしっかりと認識した上で行ってください。某有名ジムは徹底した糖質制限の下、週2回程度のトレーニングで3ヶ月間にヒトによっては何十キロという体重を落とすことに成功しています。

 

しかしその裏で、週刊誌に「低血糖」によって何名もの離脱者、および病院送りのお客さんを出してしまったことを、すっぱ抜かれました。

低血糖とは、血糖(血液の中の糖分)が異常に低くなることです。強い空腹感、冷や汗、ふるえ、動悸などが起こり、重症になると意識がなくなります。
糖尿病薬を飲んでいる人やインスリン治療をしている人では、いつもより食事量(特に、炭水化物)が少ない場合に低血糖を起こすことがあります。これは血糖を上げる炭水化物量が少ないために、血糖を下げる薬が効きすぎて、低血糖になるわけです。いつもより強い長時間の運動の最中あるいは運動後、運動した日の夜間などに低血糖を起こすことがありますが、これは運動中に筋肉の糖分(グリコーゲン)が枯渇し、補充しようとして血液の中の糖分を使うからです。たくさんアルコールを飲んだ後やその翌日の午前中に低血糖を起こす人もいます。

OMRON

低血糖の症状が現れたら即時中断してください。

は・腹が減

ひ・冷や汗

ふ・ふるえ

へ・へんにどきどき、

ほ・放置しておくと意識がなくなる

OMRON

 

 

ケトジェニックダイエットってなに?

糖質制限ダイエットの危険

 

最近巷で人気のダイエット法、ケトジェニックについて紹介いたします。

ケトン体+(産生)ジェニック=ケトジェニック

 

ケトン体は β-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンの総称で、絶食や低炭水化物食、激しい運動時など、体内の糖質が極限まで減った時に糖質に代わるエネルギー源として脂肪酸が肝臓において変換され、産生されます。 ケトン体自体は酸性なので、ケトジェニックが起こると血液や体液が酸性に変わります。

 

この状態が長く続くと、意識障害が引き起こされ、最悪の場合死に至る可能性もあります。

 

ケトジェニックダイエットの方法

 

糖質を極端に抑え、その代わりに脂質を大量に摂取することでケトン体を産生させ、脂肪燃焼を促進させることになります。しかしながら、注意したいのは、摂取する脂質の種類です。これを間違えると肥満のみならず、循環器系の疾患リスクの向上にも繋がるので気をつけなければなりません。

 

ケトジェニックダイエットには中鎖脂肪酸(MCT)

 

中鎖脂肪酸(MCT= Medium Chain Triglycerides )のことでココナッツオイルやパームオイル、また母乳の成分であり、消化吸収が非常に早く、エネルギーとしてとてもコスパがいい成分になります。

 

実は最近、MCTの研究が盛んに行われています。

 

MCT increase energy expenditure, may result in faster satiety and facilitate weight control when included in the diet as a replacement for fats containing LCT.

(MCTはエネルギー消費を増加させ、LCTを含む脂肪の代替品として食事に含めると、満腹感を高め、体重管理を促進する可能性があります。)

Marie-Pierre St-Onge and Peter J. H. Jones, The Journal of Nutrition , 2002

 

日々の食事にちょっとずつ混ぜて、糖質を少しずつ減らしていけば、不快感を感じることなく減量がスムーズにいくのかも知れません。

 

 

まとめ

本当は怖い、糖質制限食のウソ、ホントについて気の赴くままに書きました。

苦労する前に、今一度生活習慣の見直しからはじめてみてはいかがでしょうか。

 

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