コーヒーと聞けば嗜好品として幅広い世代、そして幅広い国と地域で愛されています。コーヒーはその機能性にも注目されており、コーヒーに含まれるポリフェノール(コーヒーポリフェノール)は生活習慣病のリスクを低減させることや、肥満の解消に繋がることが報告されています。
■関連記事■
コーヒーポリフェノールでダイエット!
今回は、コーヒーに含まれる成分のうち、ポリフェノールに次いで多く含まれるカフェインについて深めていきます。コーヒーと聞けばポリフェノールよりカフェインの方が連想しやすいことかと思います。
本稿を読めば
①カフェインと筋肉の関係
②カフェインの持つ作用
について詳しくなれます。
目次
カフェインと筋肉の関係とは?
多くの人がコーヒーを飲んだときに持つ印象①苦み(ポリフェノール)そして②トイレが近くなる(カフェイン)と言うように、カフェインの効力を身近に感じることができます。
カフェイン (caffeine)はエルゴジェニックエイド (ergogenic-aids)として国立スポーツ科学センターおよび国立健康・栄養研究所が認定しています。
エルゴジェニックエイドとは・・・
運動能力を向上させるサプリメントの総称です。他にも、アミノ酸やクレアチンはエルゴジェニックエイドの分類となります。なかにはエルゴジェニックとして運動能力を向上させるかどうかのエビデンスが構築されていない成分も損際します。
エルゴジェニック
スポーツエルゴジェニックを詳しく学びたい方へ
コーヒーを筋トレの前に飲むべき理由
カフェインはエルゴジェニックエイドとして運動能力を向上させる作用を持つことが明らかになっています。
カフェインには
○中枢神経を興奮させることによる覚醒作用
○脂肪酸増加作用による皮下脂肪燃焼作用
○脳細動脈収縮作用
○利尿作用
が認められており、世界で最も幅広く用いられる精神刺激薬です。皮下脂肪燃焼効果があることから、体重減少作用を持つことも報告されています。
■関連記事■
コーヒーでダイエット!?
バターコーヒーでダイエット
カフェインの摂取は中枢神経系の興奮作用から、覚醒を引き起こすことで眠気・疲労を一時的に軽減します。さらに、運動能力を向上させる効果も認められています。これらの効果は摂取後1時間程度で顕著に表れ始め、およそ3~4時間で消失すると言われています。
筋トレ前のカフェイン摂取
カフェインには神経興奮作用があり、運動パフォーマンス向上効果が認められていることから、実際に臨床現場で研究された報告があります。
2018年にオーストラリアの研究グループが公表した「カフェイン摂取と筋力およびパワーの関係を調べたシステマティックレビューとメタ解析」の論文を紹介します。
・筋力(1RM:最大挙上重量)
・垂直跳び(パワー)
上記2項目について測定。
テスト60分前にカフェインを摂取してコントロール群と比較した。
●結果●
・上半身筋力(ベンチプレス等)の記録向上
→下半身の記録は向上せず
・パワー(垂直跳び)の記録向上
→4週間のプライオメトリクストレーニングの効果と同等の効果あり
●結論●
運動前のカフェインには筋力やパワーといったエルゴジェニック(運動能力を向上させる効果)があるといえる。
さらに、別の研究では、カフェインの摂取によってAMPKやACCのリン酸化を亢進させること、グルコース輸送の活性化およびグルコースの取り込み亢進が顕著になることも報告されています。これらは筋力発揮およびパワー発揮の局面や持続性の運動において重要なエネルギー基質を効率よく取り込むことができることであることの証明となります。
コーヒーには肥満を解消させる効果が!
カフェインには皮下脂肪燃焼効果あります。
実際に「コーヒーの摂取と肥満の関係のメタ解析」があります。
アメリカと韓国の研究グループによる共同研究によると、
BMI(体格指数)とウエスト(腹囲)を測定した計12本の研究をまとめた。
その結果、
コーヒー摂取と肥満には逆相関=コーヒー飲んでいる集団は肥満者が少ないことが明らかになった。
ただし、コーヒーの摂取は、日々の食事や運動に比べ、健康に与える影響は大きくないものの、補助的に有益な効果を与えることが期待できるといえます。
食品別カフェイン含有量
カフェインの食品別含有量は「内閣府 食品安全委員会」で確認することができます。抽出方法により一概に値が決まることはありませんが、「食品成分表」を参照して貰えればと思います。
カフェイン摂取量の基準
カフェインの摂取基準は子ども・妊婦の方はある程度国によって決められていますが、その他の健常人へは定められていません。
カフェインには血管拡張作用があるうえ中毒性があるため、心臓が大きくない子どもでは実際に死亡事故も起きています。また常用することで利尿作用の亢進に伴い脱水症状を引き起こすことも考えられ、頭痛の原因となることも報告されています。
そのため、体格差もありますが、1日〜300mg程度の量に抑えることが理想ではないかと考えられます。(およそコーヒー5杯程度)
そういう私はカフェインが2倍入ってる「Death Coffee」を愛飲しています。アメリカで出会ってから行く度に購入しています。…日本では見かけませんね。
まとめ
●カフェイン(コーヒーなど)には筋力・パワーアップ効果あり
●カフェインには脂肪燃焼効果あり。