「プロテインとBCAAって何が違うの?」
「タンパク質とアミノ酸だけの違い?」
「筋肉に優しいのはどっち?」
こういった疑問にお答えします。
似ているようで「全くの別物」です。
筋トレ初心者には「プロテインだけ」でも十分です。
BCAAは「藁にもすがる思い」で筋肉をデカくしたい人向け、と言ったところでしょう。
筆者はこんな人
●東京大学大学院 (博士)
●中高バスケ部トレーナー
●体育系大学教員
本記事の内容
○プロテインとBCAAの違いは「価格」
○プロテインとBCAAの違いは「吸収速度」
○プロテインとBCAAの違いは「アミノ酸スコア」
目次
プロテインとBCAAの違い
プロテインとBCAAの違いはその構造にあります。
プロテインはタンパク質。
BCAAはアミノ酸。
タンパク質の構造はアミノ酸の集合体です。
と言うことは、プロテインとBCAAは似て非なるもの、ということになります。
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BCAAは筋肉を構成するアミノ酸
BCAAは分岐鎖アミノ酸とよばれ、バリン・ロイシン・イソロイシンという3つのアミノ酸の総称です。
BCAAは筋肉を組成するタンパク質の約35%を占めていると言われており、トレーニング愛好家からはトレーニング必需品とも言われるアミノ酸です。
プロテインとアミノ酸の違い「価格」
プロテインとBCAAの最も大きな違いは「価格」にあります。
タンパク質を分解して抽出するアミノ酸は、作業工程だけでコストがかかります。
画像のように、「同じ1kg」のプロテインとBCAAならおよそ1.5倍から製品によっては2倍以上BCAAの方が高価になります。
この差は、「質」による違いと言うよりも、「抽出コスト」による違いの方が多分に含まれていると言えます。
プロテインとBCAAの違い「吸収速度」
プロテインとBCAAの違いに「吸収速度」の圧倒的な差があります。
通常、プロテインは飲んでから「胃→小腸→大腸」と言う過程を経ながら、消化、分解、吸収されます。
このとき、タンパク質は「ペプチド」または「アミノ酸」まで分解されるのでタイムラグが生まれます。
一方!
BCAAは「アミノ酸」なので、分解の過程が省略されるため、摂取してから吸収までが格段に早い特徴があります。
吸収速度の特徴
◇プロテイン:およそ2時間
◇BCAA:およそ30分
プロテインとBCAAの違い「アミノ酸スコア」
プロテインとBCAAの違いは「アミノ酸スコア」にあります。
「アミノ酸スコア」とは、食品に含まれるアミノ酸の含有率を指します。
タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されており、
全てのアミノ酸が相互に作用しながら生命を維持しています。
そのため、大体のプロテインは「アミノ酸スコア=100」となります。
一方で、BCAAは3種類のアミノ酸で構成されるため「アミノ酸スコア=100」にはなりません。
タンパク質の補給は食事で補えない栄養素を摂取するためにするもので、アミノ酸スコアは1つの指標となります。
プロテインとBCAAの使い分け
プロテインとBCAAには際だった特徴があり、使い分けが必須です。
●吸収速度
●アミノ酸スコア
○リカバリー
を考慮すると以下の表のような戦略が最も適していると言えます。
プロテインとBCAAの強みを活かすためには、それぞれの特徴をしっかり把握した戦略が必要と言えます。
まとめ:プロテインとBCAAの特徴を見極めよう
それぞれの特徴があるため、その用途に応じた使用法が推奨されます。
注意したいのは、BCAA。
消化・分解の過程を経ずに腸まで到達するため、腸への負担が大きくかかります(浸透圧の影響)。
そのため、BCAAはじめアミノ酸の過剰摂取は「下痢」を誘発するため注意をしなければなりません。