女性に多く発症するがんには
子宮がん、卵巣がんや乳がんといった上皮細胞にできるがんがあります。
今日の日本では2人に1人ががんに罹患するといわれています。
そのため身近な方々含めがんサバイバーの方は多くいらっしゃいます。
がんサバイバー
出典:大腸がん情報サイト
「サバイバー」は日本語にすると「生存者」になるので、がん治療を終えた方のことをイメージするかもしれません。しかし、がんサバイバーとは、がん治療を終えた方だけでなく、がんと診断されたばかりの方や、治療中や経過観察中の方なども含む、すべての「がん体験者」のことを指し、日本におけるがん体験者の数は、2015年時点で533万人と推計されています。なお、米国では、がん体験者本人だけではなく、その家族や友人、介護者も含めた広い概念で定義されています。
もし、乳がんにかかってしまったら、、、
不安な気持ちに駆られることはお察ししますが、
現在では不治の病ではなくなりつつあります。
もちろん医療技術の進歩も
大きく生存に効果を発揮していますが、
最もインパクトが大きい事実が
〇運動の乳がん再発予防効果
です。
本稿を読めば
★がんの予防としての運動の位置づけ
★乳がん再発予防に効果的な運動
が分かります。
運動がもたらす乳がん乳再発予防効果
運動(身体活動)はこれまで
〇生活習慣病
〇全体死亡率
〇抑うつ
〇認知機能
といった生活の質(QOL: Quality of Life)を低下させる原因を
予防する効果が数々の研究で明らかになっています。
がんは遺伝的要素が強い病気の一つとされてきましたが
現在では
・感染性
・生活習慣起因性
の2つの影響も多分に受けていることが分かりました。
イギリスのウォルバーハンプトン大学の研究チームの
22本の論文をまとめ
総計123,574人を解析した報告によると、
日常的な運動習慣がある人は運動習慣がない人に比べ
〇乳がんによる死亡率:27%低い
〇乳がん再発による死亡率:48%低い
≧8 MET・時/週 の運動実施者は
〇乳がんによる死亡率:46%低い
〇乳がん再発による死亡率:33%低い
つまり、
運動習慣が多ければ多いほど
・乳がん再発
・乳がん再発による死亡率
は低くなることが明確になりました。
乳がん再発予防に向けた効果的な運動
乳がんの再発予防に効果的な運動は
厚生労働省の「健康づくりのための運動指針2013」
に基づいて行うことが現状では推奨されています。
厳密には
医師、理学療法士等の医療従事者によるによる
指導のもと行うことが賢明です。
18歳~64歳までの活動基準
日常生活
歩行又 はそれと同等以上の強度の身体活動を毎日 60 分行う。
ポイントは
歩行と同等以上ということで
●通常歩行(3.0メッツ)
●犬の散歩(3.0メッツ)
●自転車に乗る(3.5~6.8 メッツ)
●速歩きをする(4.3~5.0 メッツ)
といった身体活動が毎日60分必要となります。
運動
息が弾み汗をかく程度の運動を毎週 60 分行う。
具体的には、
●バーベルやマシーンを使った強い筋力トレーニング(6.0 メッツ)
●ゆっくりとしたジョギング(6.0 メッツ)
●ハイキング(6.5 メッツ)
●サッカー、スキー、スケート(7.0 メッツ)
●テニスのシングルス(7.3 メッツ)
といった運動が1週間で60分必要です。
65歳以上の活動基準
横になったままや 座ったままにならなければどんな動きでもよいので、身体活動を毎日 40 分行う。
例えば、
●皿洗いをする(1.8 メッツ)
●洗濯をする(2.0 メッツ)
●立って食事の支度をする(2.0 メッツ)
●こどもと軽く遊ぶ(2.2 メッツ)
●時々立ち止まりながら買い物や散歩をする(2.0~3.0 メッツ)
●ストレッチングをする(2.3 メッツ)
●ガーデニングや水やりをする(2.3 メッツ)
●動物の世話をする(2.3 メッツ)
●ゆっくりと平地を歩く(2.8 メッツ)
といった身体活動が毎日40分必要です。
65歳以上といっても
元気な方は
3.0メッツ以上の身体活動を行うことが必要です。
がんと向き合う
今回は
がんに対する運動の効果について焦点を当ててきました。
しかし、
がんと向き合ううえで最も大切なことは
早期発見
です。
なによりも早期発見しないことには
生存率がなかなか上がりません。
そのほかにも
●運動不足の解消
●減塩
●禁煙
●節酒
が重要な予防因子になることが明らかです。
つまり、
正しい生活習慣を身に着けることが
何よりのがんに対する予防であることが明白です。
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