これまで、バイオメカニクスを勉強しようと思っても
なかなか良書に出会えてこなかったのではないでしょうか?
それもそのはず。
「ネット上で誰もおすすめ本を紹介してくれないから」。
本来なら大学・研究室の先輩に聞けば一発で回答を得られるのですが、
そうではない状況の人のために(僭越ながら)"大学教員である私"が執筆致します。
本記事ではバイオメカニクスを極めたい人のために「おすすめ本」を紹介します。
記事の信頼性
●【学歴】東京大学大学院 (博士)
●【経歴】中学・高校バスケ部トレーナー
●【経歴】甲子園球児ストレングス指導
●【職業】スポーツ系大学教員
●【専門分野】運動生理学、スポーツ科学、トレーニング科学、健康科学
バイオメカニクスとは?【トレーナー・指導者必読】
バイオメカニクスとは
バイオ(生物・生体)
+
メカニクス(力学)
から生まれた言葉で日本語では「生物(or生体)力学」といいます。
生体力学よりバイオメカニクスの方が一般的ですね。
この学問(学術分野)の特徴は以下の通りとなります。
バイオメカニクス:カラダの仕組みを理解する
バイオメカニクスはカラダの仕組み、
例えば、骨や筋肉の名前や位置、関節を把握した上で(解剖学)
それらの動きがどのようにして成り立つかを科学する学問です。
一例を挙げると、
人が歩くときの「頭」「肩」「骨盤」「膝」「くるぶし」など、それぞれがどのようなメカニズムで連動しているかを視覚的に捉えることが可能です。
他には、「走る」「投げる」「跳ぶ」「止まる」といった人間の身体動作を数字で表すことで
「合理的な身体動作は何か」を追求する学問であると言えます。
すなわち、バイオメカニクスは
・競技力を向上させたい・したい学生(選手)、指導者
・怪我の予防・改善をしたい医療従事者、トレーナー
・転倒防止、QOLを向上させたい福祉関係者
にとっては最も重要な学問のひとつであると言い換えられます。
バイオメカニクスおすすめ本を紹介!
前置きが長くなりましたが、ここから「大学教員が厳選した」バイオメカニクスおすすめ本を紹介していきます。
バイオメカニクス20講 (超おすすめ)
バイオメカニクス界の巨匠筑波大学名誉教授(現日本体育大学教授)阿江通良と同じく筑波大学教授藤井範久による著書。
現在重版に重版を重ねているとにかく名高い一冊。
手元に置いておくだけで安心感があり、索引検索にも対応。
バイオメカニクスに興味がある人は
この1冊読むだけで全てを理解したような気持ちになれます。
大学教員が最も勧める1冊です。
スポーツ技術のバイオメカニクス (超おすすめ)
運動生理学20講著者阿江通良教授が推薦する図書。
スポーツバイオメカニクスを理解する上で「力学」を深く理解しなければならないのだが、この本はまさに"力学とは何ぞや"という点にフォーカスしている点。
複雑な数式を組む上では"力学"を習得しなければならないため
この本の構成は理想の形と言える。
スポーツバイオメカニクス (はじめて学ぶ健康・スポーツ科学シリーズ) (おすすめ)
バイオメカニクスを初めて学ぶ人にとっては物理学等々、難所が多々あり、敬遠してしまいがちな部分があります。
この書籍は、めずらしくカラーで図が多用されている点や、
各頁に脚注がちりばめられており、読んでいて飽きない本です。
初学者に最もおすすめな本です。
スポーツ・バイオメカニクス入門―絵で見る講義ノート
初学者にとっておすすめ本をもう1冊。
バイオメカニクスは「身体動作」が基本となるので数式を眺めるよりも、絵や図で視覚的に捉える方が圧倒的な理解度を増してくれます。
この本は、あくまで入門者のために書かれている本で
「バイオメカニクスとは何ぞや」という部分に触れることができる一冊となっています。
スポーツ動作の科学―バイオメカニクスで読み解く
こちらもバイオメカニクス界の巨匠、東京大学名誉教授(現日本女子体育大学学長)深代千之や国立スポーツ科学センター石毛勇介氏らによる著書。
非常にわかりやすいタッチで描かれた
バイオメカニクスの基礎を学べる良本。
専門書としても高評価な一冊です。
身体と動きで学ぶスポーツ科学: 運動生理学とバイオメカニクスがパフォーマンスを変える
上記に同じくバイオメカニクスの巨匠深代千之先生の一冊。
松岡修造氏も推薦されてるそうです。
バイオメカニクスを学び始めるきっかけになる本です.
バイオメカニクス研究をよりかみ砕き、一般向けに解説した書籍となります。
バイオメカニクス-人体運動の力学と制御 原著第4版
バイオメカニクスの専門書としてかなりの高評価を受ける一冊。
内容分量共に申し分なく、バイオメカニクスをより深層まで深めたい人にとっておすすめ。
ただ若干の数式ミスがあるようで鵜呑みにせずに
問い合わせる勇気も必要。
運動学とバイオメカニクスの基礎
バイオメカニクスをリハビリ(臨床現場)にどう活かすか、についてフォーカスされた本。
図解が多く、理解に易しいのが特徴。
翻訳本であるが、日本語も特に気にならずに読める。
専門書としても評価は高いが、医療系の学生がより理解を深めることについてはこの本の右に出る者はいない。
バイオメカニクス―生体力学の原理と応用
バイオメカニクスの専門書として最も名高い1冊。
本の重厚感からして良書である雰囲気を漂わせます。
バイオメカニクスの原理を学んだ上で、それをどう活かせるのか。
生活・研究の知恵に繋がるヒントを授けてくれます。
まとめ:バイオメカニクスおすすめ本を紹介!
本記事ではバイオメカニクスに関する持っておきたいおすすめ本を紹介しました。
どれも名著であるには変わりありませんが、
その差が若干見えづらい部分もあると思います。
またどの読者層へ向けて書かれているのかも分かりづらい部分があるので、この記事を参考に本の選別をして頂ければと思います。
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