「筋トレは大人がやるものって親から聞いたんだけどほんと?」
昔の人ほど「筋トレしたら身長が伸びなくなる」という迷信を信じており、小中学生に筋トレを教えてきませんでした。
果たして「筋トレは中学生にとっても必要なのか?」。
徹底的に解説します。
記事の信頼性
●【最終学歴】東京大学大学院 (博士)
●【競技歴】中高全国大会出場、中学県選抜、高校少年男子(県選抜主将)、IH・ウィンターカップ出場、大学1部リーグ・インカレ出場、社会人日本2位
●【経歴】中学・高校バスケ部トレーナー
●【経歴】甲子園球児ストレングス指導
●【現職】大学教員
●【専門分野】運動生理学・健康科学・疫学目次
上手くなりたければ中学生に筋トレは必要!
どのスポーツをしていても
今より少しでも上手くなりたければ筋トレをすべきです。
中学生は成長期であり心身共に発達する時期です。
スキルもバツグンに伸びる時期でもあり、
メンタル面も、身長もグンと伸びます。
どの世代においても巧みな戦術を実行するためには"強靱な肉体"が必要です。
成長期だから放っておいても筋肉はある程度つくし、
小学生の頃より早く走れるし、高く跳べます。
だとしても、何もせずそのまま成長期を過ごしていては、伸びしろは周りと同レベルで終わりです。
そもそも論ですが、筋トレをして筋肉をつけたからといってプレーのパフォーマンスが上がることはありません。(ココ凄く重要)
じゃあ何のために筋トレするのか?
答えは
練習の強度を今よりも上げるため。
強く、速く、高く、長く練習すれば、質は自ずと向上します。
練習の質を高めるため、
突出した境地にチャレンジしたいのなら、筋トレをすべきです。
なぜ筋トレをしない方がいいと言われてきたのか?
筋トレ不要論をなぜこれまでの大人達は唱えてきたのか?
例えば
「成長期に筋トレしたら身長止まるでしょ!」
とか
「筋トレして怪我したらどうすんの!」
とか
「ウチの子は筋肉デカくするスポーツじゃないしな。」
という声が今にも聞こえてきそうです。
明確にお答えすると、
これで全て解決です。
筋肉を大きくすることだけが筋トレじゃない!
「筋トレは筋肉をデカくすること」という先入観を多くの人が持っています。
中学生に限らず、
親世代然り、祖父母世代然り、働く世代然り、体育の教員然り・・・。
筋トレは「ボディービルダーがするもの」という悪しき固定観念が日本のスポーツの発展を妨げているといっても過言ではありません。
4年連続日本一を成し遂げた福岡ソフトバンクホークスはめっちゃ筋トレしてますよ。
ホークスの千賀選手と甲斐選手とは、もう10年のお付き合いがあります。甲斐選手は入団して3年で、バーベルカール70kg/10回、バリスティックで行っていました。お祭騒ぎのような雰囲気の中で、しかも命がけの心境で、筋トレを楽しまれていました。凄い腕です❗️ pic.twitter.com/UCpTOiSehs
— 高西文利 (@MARUYA_umanechi) August 13, 2020
鍛え方によって筋肉は形を変える組織です。
ということは、
・筋肉をデカくしたいと思えば出来るし(もちろん細くも出来る)
・瞬発力が高い筋肉をつけることも出来るし
・長い時間同じ動作を繰り返すことが出来る筋肉をつけることも出来ます。
よって
筋トレは、ただ筋肉をデカくするためにするわけじゃなく、目的に応じたトレーニングメニューを設定することで、いくらでも変化させることが出来る「自分の意識を反映した」組織であると言うことです。
中学生は筋肥大よりも筋持久力をつける世代
中学生が筋トレをするとき何を目標にすべきか?
紛れもなく筋肥大ではなく「筋持久力」を強化すべきです。
筋持久力は長く同じ動作を繰り返すために必要な要素です。
中学生の年代は特に身長が爆発的に伸びる時期なので
同時に心肺機能が格段に向上します。(スキャモンの発育発達曲線)
心肺機能と筋持久力は似て非なる要素ですが、
考え方は同じ。「粘り強さ」の源となります。
筋持久力は「低負荷×高回数」を目安に
筋持久力を高めるためには「軽い負荷」で「たくさん」やることが重要です。
中学生の筋トレはじめの頃であればウエイトなんて必要ありません。
自分の体重だけで相当な「負荷」になります。
自分の体重だけで行う筋トレを
・ゆっくり
・正確に(丁寧に)
・使う筋肉を意識して
・とにかくたくさん
やることです。
それが
・腹筋でも
・スクワットでも
・腕立て伏せでも
・背筋でも
すべて同じです。
時間の目安として1種目2~3分連続して行いましょう。
とにかくゆっくりなので回数にこだわる必要はありません。
「ゆっくり行う理論」としてはまさしく「スロトレ」そのものです。
筋トレ初心者におすすめするスロトレの効果とは?【高齢者でも筋肥大できる!】にも書いているのでお読みください。
ゆっくり動作をすることは関節への負荷を極限まで減らすので
高齢者にも中学生にも安心して行えます。
中学生の行う筋トレは「筋肉を使う意識付け」が最大の目的
中学生で筋トレを行う最大の目的は「どの筋肉を使っているか」という意識を一体化させることにあります。
筋トレという単純な動作に見えても
実際は最も使う部位に"全集中"しなければ体勢を保持できません。
ある意味中学生にとっては「筋トレもスキルトレーニングの一部」として位置づけることが出来るのです。
高校・大学とスポーツを続けていくのであればフィジカル強化は必須。
その上で「どれだけ自分の意思で自分の体を動かせるか」が大いにその後の成長に関わってきます。
だからこそ、
ことが重要というわけです。
中学生の筋トレは1日10分でいい
中学生のカラダは発展途上です。
何でもかんでもやると故障するのは目に見えています。
1日10分(2種目程度)だけでいいので
日々部位を変えながら行えるとカラダが変わってきます。
部活が終わって帰宅し食事を摂る前後どちらかにさっと行えるといいでしょう。
そこまでの流れをルーティン化すれば勝ち組です。
中学生の筋トレはいつから加重(荷重)するのか?
中学生の筋トレには基本的に「加重(荷重)」は必要ありません。
ただし、半年続けたくらいから少しずつ加重してもいいかもしれません。
あくまで私が重要視しているポイントは
・反復回数の成長度
を特によくチェックしています。
例えば、筋トレ始めてスクワット50回まで出来たとします。
日々筋トレを続けていき、半年後には100回まで伸びました。
これにかかる時間も2倍となっています。
時間が3分以上かかると「筋トレの質」の低下に繋がります。
筋トレの回数の成長が見て取れたら「少しずつ加重」して行くタイミングです。
加重には
・ペットボトル
・ダンベル
・ゴムチューブ
などを有効に使って行きましょう。
なかでも「ゴムチューブ」・「ペットボトル」は
ダンベルよりも扱いやすく手に取りやすいため
筋トレ初心者である中学生にも十分なじめる有効なツールです。
詳しくは自宅筋トレグッズ【BODYBOSS 2.0が最強】アパート・マンションOK!をご覧ください。
まとめ
中学生にも筋トレは必要です。
ただ筋トレしたから上手くなるわけではありません。
筋トレは「練習の質」を高める為のツール。
筋トレだけに没頭しても決して強い選手にはなりませんよ。