「選抜選手に入りたいけど身長が足りないな・・・。」
「当たり負けないカラダってどうやって作るの?」
「筋トレって何歳から始めていいの?」
こういった悩みを全て解決します。
この記事の筆者は身長170cm程度ながら、
県選抜や国体選手を経て
大学1部リーグのスタメンまで勝ち取った"努力の鬼"です。
実体験を元に「選抜選手に入るためのトレーニング」を紹介します。
記事の信頼性
●【最終学歴】東京大学大学院 (博士)
●【競技歴】中高全国大会出場、中学県選抜、高校少年男子(県選抜主将)、IH・ウィンターカップ出場、大学1部リーグ・インカレ出場、社会人日本2位
●【経歴】中学・高校バスケ部トレーナー
●【経歴】甲子園球児ストレングス指導
●【現職】大学教員
●【専門分野】運動生理学・健康科学・疫学目次
選抜選手は身長だけで選んでいるわけじゃない!【体格は努力の賜】
選抜選手の選抜基準についてご存じでしょうか?
バスケットボールにおいて「身長は正義」です。
そのほかにも
・ずば抜けた得点能力
・並外れた支配力
・鉄壁の守備
このいずれかを持ち合わせていないと選考の網にすら引っかかりません。
私の場合「身長」は勝負の土台に乗れなかったので捨てました。
その下の
・ずば抜けた得点能力
に関しては1試合多くて30点、少なくて10点、平均20点程度です。
よってこの2つ
・並外れた支配力
・鉄壁の守備
だけは「誰にも負けない」というメンタリティを持っていました。
この割り切った考え方の何が良かったか?
上記3つの要素を深掘りすると
・ずば抜けた得点能力(オフェンス) →技
・並外れた支配力(Off & Def) →心
・鉄壁の守備(ディフェンス) →体
となります。
当時の私の地元(ど田舎)にはバスケスクールなどなく
技術の習得においては部活の全体練習のみでした。
今ほど恵まれている環境ではありませんでした。
その頃から私は徹底してフィジカル強化に乗り出しました。
(メニューは後述します。)
フィジカル強化はきついトレーニングを自らに課すことで
同年代の選手を圧倒する「強さ」と同時に
1人で立ち向かう「鋼の精神力」を獲得することが出来ました。
これが結果として
・並外れた支配力(Off & Def) →心
・鉄壁の守備(ディフェンス) →体
の同時習得に繋がったと考えられます。
そう考えると、
「トレーニングをしっかり積んでいる選手=ガタイがいい=メンタルが強い」という方程式が自ずと湧き上がってくることにお気づきになられましたでしょうか?
つまり、
フィジカル強化を徹底して体つきを変えることは
メンタル強化にも繋がり、
選抜チームに欠かせない唯一無二の存在になることが可能というわけです。
当たり負けないカラダには何が必要?【体幹だけじゃない!】
当たり負けしないカラダ作りをする上で重要なことは
【体幹だけが全て】ではないと言うこと。
当たり=体幹
という発想は素人のする考え方。
今すぐ捨てましょう。
「体幹」の役割は【上半身と下半身の繋ぎ役】。
ということは力を生み出す元は「下半身」において他ならないのです。
下半身(脚力)がほぼ全て
下半身には人間の備えている筋肉の中でも
大きい筋肉の集合体です。
下半身を強くすることは
例えると「車のエンジンをより大きくする」こと。
エンジンの大きな車は
・スピード
・安定感
は他の車を圧倒します。
もう一つ下半身が重要な理由。
下半身は人間の土台です。
いくら幹が太い木でも根が細ければ風で倒されてしまいます。
一方、幹が少々細くても根が丈夫な木は台風にも堪えうる力を持ちます。
つまり、下半身は
・人間のエンジン
であると同時に
・踏ん張る源(土台)
であることをここで学んでください。
鍛えるべき下半身の3つの力
下半身を鍛えると言っても「ムキムキ」にすることが重要であるわけではありません。
下半身を鍛えるに当たって重要な要素が3つあります。
①速く動かす力(アジリティ、俊敏性)
②長く持続する力(筋持久力)
③爆発的な力(パワー)
上記の3つは読んで字の如く、
①素早い脚さばき
②低い姿勢でプレーし続ける
③一瞬で相手に追いつく(抜き去る)
といった要素になります。
どれか一つだけ抜きん出てもダメです。
全てが高水準である必要があります。
筋トレって中学生から始めてもいいの?
「筋トレって中学生から始めてもいいのか?」
いいです!
やりましょう!
やってください!
筋トレしたからって身長が伸びなくなることはありません!
筋肉隆々な体操選手が身長が小さいのは
×体操やってたから身長が伸びなかった
○身長が低い選手が体操で生き残っている
という点は間違えたらいけません。
実際の研究の現場においても
Maninaの総説論文によると
「監督者がいる環境下でのトレーニングは安全であり、思春期前~初期の成長を妨げる悪影響はない」としています。
またAlvesらによると
「身体活動は胎児期~青年期において、妊婦と子ども双方とも安全であり、子どもの直線的な成長を損なうことはなく、骨と筋肉の形成を支持し、生涯にわたって有益な効果をもたらす」と記しています。
つまり、積極的に中学生もトレーニングしましょう!ということです。
筋トレ≠バーベル担ぐトレーニング
勘違いしてはならないのが
「筋トレ=重りを持ったトレーニング」という認識。
重り(ウェイト)というのは
負荷(強度)を高める為に用いるのであって、
基礎体力が乏しい中学生が使うことは推奨されません。
自分の体重だけで最初は十分です。
自体重を自由自在に操れるようになってから
重りを持つようにしましょう。
※ウエイトは高校生から!っていう決まりもありません。
自身の筋肉の成長に合わせて始めるべきです。
中学生から始めるフィジカル強化メニュー5選
私自身がやっていたし
実際に現在の指導現場でも行うトレーニングメニューです。
至ってシンプルですしとっつきやすく、
お金もかかりません。←ココ重要
読み終わったらすぐ始めましょう。
階段ダッシュ
"最高にして最強"トレーニング。
下半身の「爆発力」「敏捷性」「持久力」全てつきます。
■メニュー
①一段ずつ全力で(3本)
②1段〜2段跳ばしを全力で(3本)
※①②とも腕を全力で振ること。
たったこれだけです。
私は家の近所に100段くらいの神社の階段があったので
部活から帰宅後に2~3日に1日のペースで行ってました。
腕立て伏せ(プッシュアップ)
腕立て伏せは腕と大胸筋を鍛える筋トレです。
さらに、もう一つ重要な要素。
体幹も鍛えられる優れたメニューです。
辛い場合は膝をついて行いましょう。
※動画は東海大学教授有賀先生(元ボディービルダー)です。
背筋
背筋は複雑かつ多数の種類、そして大きい筋肉なので
非常に鍛えづらい種目です。
この動画のように動かす範囲は大きくなくてもいいです。
スクワット
スクワットはディフェンスの姿勢に最も近い姿勢なので
説明はほぼ不要です。
×膝を曲げる
○腰を落とす イメージが大事。
ラダー(地面に描いても良し)
ラダートレーニングは敏捷性を格段に向上させてくれます。
ラダートレーニングの強う生については【やらないと損!】ラダートレーニングで鉄壁のディフェンス力を身につけろ!【中学生必見】に詳細を記載しています。
ラダーとはこんな物です。
でもこれ買う必要ありません。
地面に自分で描いても出来ます。
私の中学時代は庭に線を描いてやっていました。
まとめ
選抜選手になりたかったら
バスケの練習だけしててもダメです。
人と同じ練習量じゃ勝てません。
神与えられた時間は平等。
そのなかで人より多く自分と見つめ直す時間を増やした人が最終的に笑います。
いくらドリブルが優れた選手がいても
きついトレーニングを積んだあなたを抜くことは出来ません。
自分を信じてやるのみです。
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参考文献
Malina RM. Weight training in youth-growth, maturation, and safety: an evidence-based review. Clin J Sport Med. 2006 Nov;16(6):478-87. doi: 10.1097/01.jsm.0000248843.31874.be. PMID: 17119361.
Alves JGB, Alves GV. Effects of physical activity on children's growth. J Pediatr (Rio J). 2019 Mar-Apr;95 Suppl 1:72-78. doi: 10.1016/j.jped.2018.11.003. Epub 2018 Dec 26. PMID: 30593790.