かなりヤバい話です。
他人ごとではありませんよ!!!!!
新型コロナウイルスの感染拡大によってテレワーク(在宅勤務)・在宅学習(オンライン授業)がニューノーマルとして定着しつつあります。
※ニューノーマル:新しい常識
人件費や教育格差の是正、固定費の削減など数々の恩恵がコロナによってもたらされる結果となっていますが、その反面、ヤバいことも起きつつあります。
そのヤバい事実を紹介していきます。
筆者はこんな人
●【学歴】東京大学大学院 (博士)
●【職業】大学教員
目次
テレワーク・オンライン授業によって増える病気がヤバい。
我が国における5大疾病はご存じだろうか?
がん・糖尿病・脳卒中・心筋梗塞・精神疾患(うつ病他)
である。
2013年に精神疾患が加わって5大となったが、いずれの疾患も戦後以降、確実に患者数が伸び続けている。
特に精神疾患(うつ病)はこの中で最も患者数が多い。
新型コロナウイルスの感染拡大以前からこのような状態なので、
2020年以降更に悪化する予想がされているのである。
テレワークとがん
今後、がんの罹患率が急上昇する可能性が示唆されている。
がんの発症は複雑なメカニズムであり、その原因に至っては全て明らかにされているわけではない。
ただし、これまでの状況から鑑みて、在宅勤務が増えたことで"がん患者数が減少する"理由が見当たらない。
よって今後も増加の一途をたどると言える。
テレワークと糖尿病
糖尿病も確実に今後増加する。
不摂生な食事、不規則な生活習慣、運動不足、これら全てが相まって"エネルギー過多"の状態が体内で続く。
エネルギーは貯蔵できないことから日々使った分を補充しなければならない。
現状、テレワークが主流となってしまうとエネルギーを消費する方法に限りが出てしまうことになりかねないのである。
テレワークと心筋梗塞・脳卒中・高血圧
テレワークは循環器系疾患も引き起こすリスクがある。
これらの疾患は生活に馴染みすぎていてあまりインパクトがないかもしれない。
特に高血圧は沈黙の疾患で、症状が全くと言って出ない。
これら全て、テレワークによる運動不足や不摂生な食事によって簡単に引き起こされる危険性がある。
特に寒くなる時期は血管への負担が大きくなる。
よって突発的に起こってしまう疾患として注意しなければならない。
テレワークと肥満
テレワーク増加による肥満は深刻な問題である。
そもそも、太るメカニズムとして「消費エネルギー<摂取エネルギー」なのだが、テレワークによる運動不足が更にこれを助長している。
テレワーク期間に運動を始めた人も多いと聞くが、総消費エネルギーで考えるとどうだろうか。
日中の生活活動での消費カロリーは意外とバカにならないほど多いのである。
テレワークとうつ病(コロナうつ)
テレワークによるうつ病の増加はこれまで挙げてきた疾患の中で最も深刻と断言できる。
在宅を余儀なくされた小中高校生、
未だにオンライン授業が続く大学生、
テレワークとなった社会人いずれも変わり映えののない生活を強いられ
「コロナうつ」が増加しているという。
まるで動物園の檻に閉じ込められたような感覚になることが大きな原因のひとつである。
うつ病による自殺者数は今後更に増加すると言われている。
コロナに関連するうつ病の患者数は日本のみならず世界中で多く報告されてきており、公衆衛生上最も重大かつ喫緊の課題とされている。
テレワークで病気が増えるわけ【座りすぎ問題】
そもそもどうしてテレワークで病気が増えるのだろうか。
確かに、運動不足は最たる理由に挙げられる。
しかし、テレワーク期間に運動習慣を獲得した日本人は非常に多い。
【参考】パンデミックと運動: data from GARMIN
それなのになぜこんなに病気が懸念されているのだろうか?
ヒントは「座りすぎ」に隠されている。
座りすぎは健康を"害"する
2015年「座りすぎは総死亡率を高める」というショッキングな研究報告が権威のある米医学雑誌に掲載された。
驚くべき事実はまだある。
『−座りすぎは「身体活動に関係なく」健康に大きな害を及ぼす。−』
これはつまり、運動を習慣的に行っている、または日々活発に動いているヒトにとっても、座りがちな生活習慣は死亡率を高めると言うことである。
これらは非常にゆゆしき問題である。
テレワークでなくとも、日本人の働き方は「座りがち」な様式であり、先進国の中でも群を抜いて長いという。
食生活が欧米諸国と比べ健康的であると巷で囁かれているが、我が国が生活習慣病で世界をリードする日も遠くないのかもしれない。
なぜ「座りすぎ」テレワークがダメなのか?
なぜ座りすぎるとダメなのか?
このメカニズムに関しては解明されていないことが多すぎる。
ただこれまで明らかになっていることは以下の通りだ。
原因:血流不活化
座ることによってお尻の下から太腿にかけて体重がかかる。
そこには太い血管が通っており心臓から出る動脈、心臓へ戻る静脈ともに自身の体重で押しつぶされる。
すると、血流は勢いよく流れることはなく、滞りがちとなってしまう。
このように血流が不活化してしまうと、循環すべき成分が蓄積しアテローム・血栓などになってしまう可能性が否定できないのである。
【参考】「座り過ぎ」日本人、20年後はどうなる? 健康スポーツ科学拠点で進む大規模健康調査
「座りすぎ」テレワークとならないための対策
「座りすぎ」は通常「30分以上」継続して座っている状態をいう。
これまでの知見で明らかとなっているのは「30分以上」座り続ける生活習慣がある人はがん・糖尿病・高血圧・死亡率を高めると言うのだ。
つまり、少なくとも『30分に1度』座りすぎを打破する必要がある。
例えば、
・30分に1度、トイレに行く
・30分に1度、コーヒーを淹れに行く
・30分に1度、立ち上がり背伸びをする
・30分に1度、スクワット10回する
こんな感じで座りすぎを打破するだけでいい。
その効果はてきめんで、立ち上がればすぐに脳に酸素が行き渡る感覚を覚えることだろう。それほどまでに座りすぎはヒトのあらゆる能力を下げる。
もしくは「スタンディングディスク」を導入するのも有効である。
つまり、立って作業をすることを習慣化するのである。
必然的に脚は浮腫むが、座りすぎのリスクに比べたら大した弊害ではない。
実際、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)を初めとする多くの巨大IT企業はスタンディングディスクをオフィスに搭載している。
日本企業も追随して変化していく可能性もある。
作業効率+健康増進のためにも「スタンディングディスク」は最も安い投資ではないだろうか。
参考文献
・Biswas A, Oh PI, Faulkner GE, Bajaj RR, Silver MA, Mitchell MS, Alter DA. Sedentary time and its association with risk for disease incidence, mortality, and hospitalization in adults: a systematic review and meta-analysis. Ann Intern Med. 2015 Jan 20;162(2):123-32. doi: 10.7326/M14-1651. Erratum in: Ann Intern Med. 2015 Sep 1;163(5):400.
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【日本生活習慣予防協会】テレワーク・自宅待機による運動不足で生活習慣病のリスク