みなさんこんにちは!今回は、私が東京大学を受験する際に用いた『簡単暗記術』をご紹介します。これはなかなか必見です!
目次
インプットよりアウトプット
最初にして最大のポイントはこれです、『インプットよりアウトプット』。情報、知識を詰め込むだけでは脳はパンクしてしまいます。
ヒトは短期記憶と長期記憶を上手く使い分けながら生活しています。
例えば、
- 明日の集合時間
- 昨日の献立
- 今朝のニュース
なんて言うのは、短期記憶として分類されます。
「短期記憶」は、大脳前頭野で記憶される
出典:るいネット
短期記憶は、感覚記憶よりもう少し保持期間が長い記憶のことで、約20秒間保持されます。ある行動をとるために短期間蓄えられ、行動が終わると忘れてしまう記憶のことをワーキングメモリーと呼ばれます。例えば、企業の受付が電話で相手先の名前を聞き、それを社員に内線で伝え終わった後にすぐに忘れてしまうような記憶のことです。
短期記憶で保持できる量は7±2(5つから9つまで)程度と考えられており、電話番号を簡単に記憶できないのもその理由です。
短期記憶はそれほど生活には重要な影響を及ぼしません。忘れてはいけないものは長期記憶へと移行させようとするのが人間です。
『短期記憶は7個まで』
小話ですが、
- 七福神
- 旧帝国七大学
- 春の七草
- 七の賢しき人
- 北斗七星
- 七転び八起き
- 七つ道具
- 七つの大罪
- 王下七武海(ワンピース)
とまあ、ざっと簡単に挙げても『7』に関する慣用句はたくさんあります。
なぜこんなにたくさんあるのか、、、その答えは簡単です。
ヒトの脳は『7』つを超えた瞬間に、ものを瞬時に覚えたり、判断したりする能力が低下するという現象があります。
そのため、電話番号が覚えづらかったり、何でも取り揃えているショップに行くと急に優柔不断になってしまったりしてしまいます。
24種類のジャムを取り揃え、ジャム専門店としてショップをオープンしたものの、売り上げがなかなか伸びない。
品揃えは地区、世界一と自負しているにも関わらず、なぜか客は店に入っても商品を取らずに出てしまう。
そこで店主は、ある経済学者に相談したところ、『24種類は多すぎる。6種類にしなさい。』と言われ、苦渋の決断で品数を絞った。
すると、どうだ。
客が店に入ってから商品を選ぶまでが非常に早く、それでいて客足は途絶えない。
売り上げは24種類当時の数倍を挙げるようになった。
出典:選択の科学より改変
コロンビア大学ビジネススクール教授のシーナ・アイエンガーの名著『選択の科学』からうろ覚えながら抜粋した一部です。消費者として、何が正しい選択か、を導き出すヒントになります。子供に教えたいおすすめの1冊です。
『短期記憶⇒長期記憶』
一方、『長期記憶』は短期記憶が積み重なり、海馬を通じて貯蔵されて定着する記憶システムです。
長期記憶に分類される項目は
- 自転車の乗り方
- 母国語
- 箸の持ち方
- 自身の誕生日
など、日々の生活に欠かせない事柄は全て長記憶として記憶されます。
ご存知の通り、長期記憶は短期記憶からグレードアップさせることができます。
『何度もテストせよ』
『短期記憶から長期記憶』にグレードアップさせるためには復習が必要不可欠になります。
しかし、その復習方法を知らなければ、効率が上がらず、時間の浪費に繋がりかねません。
それでは、私が経験した最も効率的な復習方法についてご紹介いたします。。
『インプット⇒アウトプット』
今回は英単語を例にとってご紹介します。
必要な物:
・単語帳(何でも良いです)
・ノート(キャンパスでも何でも)(幅広をおススメします)
・ペン(赤でも青でも)
以上。
- 単語帳を用意します。(私はターゲットをやりこみました)
- 日本語訳を隠します。(折ってもいいし、赤ファイルでも)
- 英単語を眺めながら、頭の中でテストしていきます。
- 【重要】解答と日本語訳が一致しなければ単語帳にペンで✓を入れます。
- この作業を100~200単語行います。
- 「5 」まで終われば、単語帳は自分の覚えていない単語に✓が入った状態になります。
- 別冊ノートに✓のついた単語だけ左側に縦1列で書きます。
- この時点でノートには自分の知らない単語だけが詰まった『自分だけの単語帳』が完成します。
- このノートの単語を書いて喋って書いて喋ってを繰り返し、覚えます。
- ここで『2~4の作業』をもう一度行います。
- 「10」まで終えると、ノートには、さらに覚えにくい単語に✓が入った状態になります。
- そして『6~9』を行います。
- ✓が無くなるまで繰り返します。 (ここまで約60分かかりました )
- 翌日は「8」で作ったノートを使い再びテストします。
ここで覚えていない単語は要注意単語としてマークします。 - あとはひたすら覚えてテストして単語帳を作るだけです。
これらの作業工程は
●テストで知らない単語を炙りだす(覚えている単語を深める必要はないため)
●単語帳作成(インプット)
●テスト(アウトプット)
を繰り返すことで、短期記憶を長期記憶に定着させようとしていきます。
我々が「箸の使い方」を覚えるときもそうだった様に、
親から教えられ→自分でトライして→親に指導を受け→
というようにインプットとアウトプットの流れをうまく作りながら記憶していったはずです。
このように、
頭に詰め込んだ情報を(インプット)
吐き出す(アウトプット)する
流れを、自分で構築することがとても重要になります。
カラダを動かせ
こんな論文があります。
Physical Exercise during Encoding Improves Vocabulary Learning in Young Female Adults: A Neuroendocrinological Study
若年女性において学習しながらの運動は語彙力を向上させる:神経内分泌学的研究
”運動しながら単語覚えると、
Schmidt-Kassow M, Deusser M, Thiel C, Otterbein S, Montag C, Reuter M, et al. (2013) Physical Exercise during Encoding Improves Vocabulary Learning in Young Female Adults: A Neuroendocrinological Study. PLoS ONE 8(5): e64172. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0064172
座って学習するより記憶の定着がより改善する!”
なかなか面白い研究ですが、運動と記憶力に有意な関連があることを認めています。
『リズミカルな運動が効果的』
上記のような軽運動と記憶に関する研究は日本でも報告されています。
軽程度の運動とは
・ジョギング
・自重の筋トレ
など心拍数を上げすぎない様な運動が推奨されています。
例えば、ジムで自転車こぎながら単語のテストなどを行うと”効率的”なのかもしれませんね。
ながら勉強のススメ
テレビ見ながら〜
音楽聴きながら〜
などの”ながら”勉強は効率が落ちると習った記憶があります。
しかし、勉強の効率を考えたとき、多少の雑音があった方が集中できるのは、東大生が受験勉強をする際に場所を選ばないことで有名です。
静かな場所が落ち着く人も多いかと思いますが、
ここで勉強?みたいな場所でも思い切ってしてみてください。
『座って文字を書くだけが勉強じゃない』
私の場合、通学の往復30分、朝晩ご飯の時間を使って単語をインプットしていました。
単語の記憶の場合、
『単語帳を作る作業』をする以外は机に向かいません。
計算問題や、ロジカルな問題を解く際は、机に向かいますが
単なる記憶を培う際は
○歩きながら
○ご飯食べながら
○音楽聴きながら(歌詞が入っていないのがおすすめ)
など時間と場所を選ばない方がその他に割ける時間が増えるのでおすすめです。
おわりに
私の場合4ヶ月で東大受験に挑むことになったわけで、いかに時間を短縮して効率よく勉強をするか、と言う点を突き詰めました。
今回紹介した
『インプット⇒アウトプット』の流れは、単語に限ることなく
初めて会った人の名前や誕生日などに応用できます。
情報は入れるだけでなく、しっかり出すことで長期記憶として定着することを抑えておきましょう。