『脂肪燃焼=ダイエット』と誤解している人は居ませんか?
「脂肪燃焼」って書かれるとついつい「ダイエット」と連想してしまいますよね。
「脂肪燃焼」の本来の意味を理解出来れば
下手な広告に騙されなくなりますよ。
この記事では「脂肪燃焼の意味」について掘り下げます。
さらに「効率的に脂肪を使うポイント」を紹介します。
記事の信頼性
●【最終学歴】東京大学大学院 (博士)
●【競技歴】中高全国大会出場、中学県選抜、高校少年男子(県選抜主将)、IH・ウィンターカップ出場、大学1部リーグ・インカレ出場、社会人日本2位
●【経歴】中学・高校バスケ部トレーナー
●【経歴】甲子園球児ストレングス指導
●【現職】大学教員
●【専門分野】運動生理学・健康科学・疫学目次
【知らないと損】脂肪燃焼のホントの意味
「体脂肪燃焼!」
みたいな健康食品などの広告をよく見かけませんか?
薬機法(旧・薬事法)ギリギリの表現ですね・・・。
"燃焼"と言う言葉が脂肪をより際立たせてしまっているのがこの言葉の悪いところ。
そもそも体脂肪は常にエネルギーとして使われています。
つまり、サプリメント類、健康食品などの脂肪燃焼なんて効果はほぼなく、
単純に人間の体内で日常的に起きていることを言っているだけなんです。
体脂肪はカラダを維持するエネルギー
体脂肪の持つ役割は
です。
とりわけ人が生命を維持する上で最も重要なエネルギーを産出していることはあまり多くの人は知りません。
人は生きているだけで「エネルギーを消費」します。
など、全ての体内器官は何をするにしてもエネルギーが必要です。
体脂肪はほぼ枯渇するまでは"半永久的"にエネルギーを供給し続けられる
いわば"油田"のような物だと言えます。
体脂肪をATPに変換する
人が生命を維持する上で体脂肪をエネルギーとして利用されます。
このエネルギーの正体は「ATP(アデノシン3リン酸)」と言います。
全ての細胞はこのATPをエネルギー源として動力を生み出しています。
糖質も脂肪も同じです。
そのままの形で使われるのではなく必ず細胞内で「ATP」に変換され利用されます。
有酸素運動とは「ATPを作る過程で糖質が分解される割合が少ない」ということ
有酸素運動をより厳密に「この運動は有酸素運動」と定義するのは難しいです。
最もわかりやすい区切り方が「ATPを作る過程で糖質が分解される割合が少ない」です。
少し複雑なのであくまでイメージで捉えてください。
体内に貯蔵されている糖質はせいぜい200~300gです。
糖質をエネルギーにして活動するには限界があります。
一方で脂肪は10kgくらいはありますよね?
そんなに簡単には枯渇しないエネルギー源です。
そう考えると、日常生活で最も負担なくかつ持続的に活動しようと思えば「脂肪を優先的」に使おうと思いませんか?
実はカラダもそういう作りになっています。
強度が低く、持続できる運動は「脂肪からATPを優先的に作る」
強度が高く、長く続かない運動は「糖質を分解してATPを作る」
この2つの働きを人は上手く利用して生命を維持しています。
走っても痩せない理由は単純に「糖質を優先的に使ってATPを作っている」からと言えます。
※厳密には脂肪を消費する割合が減っている、と言うことです。
【人気記事】有酸素運動の効果はメリットだらけ!健康診断を乗り切れ!【生活習慣病予防】
脂肪を効率的に消費するポイント
脂肪を効率的に消費するポイントについて解説します。
忘れてはならないのは「生命活動は全て有酸素運動」であると言うこと。
言い換えると「なるべく長く続けられる活動をする」と言うことになります。
活発な日常生活を送る(目標1万歩/日以上)
厚生労働省は1日8000〜9000歩の歩行を推奨しています。
1000歩で10分、およそ600〜700mの移動と計算されます。
10000歩の歩数を歩くとしたら
時間で言うと合計約2時間、距離で6〜7kmとなります。
6~7kmというととてつもなく長く感じますが
と考えると行きと帰りで駅間を歩くだけで半分以上は賄えます。
このことに関する詳細は運動以外で消費カロリーを増やすたった2つの方法と考え方をご覧ください。
たんぱく質を多く摂る
たんぱく質を多く摂ると「痩せる」とは言いません。
食事を摂っても消化吸収するためにエネルギーを消費します。
エネルギーの消費は摂取する栄養素によって違います。
食事誘発性熱産生(Diet Induced Thermogenesis: DIT)とも言いますが
たんぱく質単体で摂取すると摂取エネルギーに対して約30%が熱として消費されます。
つまり、たんぱく質は勝手に消費される割合が高いため
意識して摂取しなくてはならない栄養素なのです。
詳細はなぜ走っても痩せない?【高タンパク質食が鍵】をご覧ください。
筋トレをする(筋肉をつける)
人体の中で最もエネルギーを消費する器官は心臓です。
心筋は絶えず動き続けないといけないため、常にエネルギーを使い続けます。
その次に肝臓。
肝臓も食事の栄養素を全て経由する為、ほぼ休みません。
その次が骨格筋(筋肉)となります。
割合としては心臓・肝臓・骨格筋で安静時消費エネルギーの約5〜6割を消費しています。
ココで気づいてほしいのが
心臓と肝臓は"不変"だが骨格筋は"可変"であること。
筋肉をつけられるペースは決して早くありませんが
コツコツ積み上げることで消費エネルギーを増やすことは可能なのです。
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