「大学に入ってまで部活を続ける理由はなんだろう?」
「大学で部活を続けるべきなのか?」
「部活を続けたメリット・デメリットは何なのか?」
これらの悩みを解決していく記事です。
この記事の筆者は、バリバリの体育会系の部活(バスケ部)に一般入部し、血みどろになりながら4年間を過ごし、最終的にスタメンを勝ち取った男です。
指定校推薦で入学したものの、バスケ部はスポーツ推薦組ばかり。。。
・・・挫折の連続でした。
そんな今だから語れる『大学でも部活を続けるメリット・デメリット』。
この記事を読めば
豊かなキャンパスライフ構築の一助となること間違いありません!
記事の信頼性
●【最終学歴】東京大学大学院 (博士)
●【競技歴】中高全国大会出場、中学県選抜、高校少年男子(県選抜主将)、IH・ウィンターカップ出場、大学1部リーグ・インカレ出場、社会人日本2位
●【経歴】中学・高校バスケ部トレーナー
●【経歴】甲子園球児ストレングス指導
●【現職】大学教員
●【専門分野】運動生理学・健康科学・疫学大学で部活を続ける『デメリット』
まずは大学で部活に入るデメリットから紹介します。
大学を卒業した方が読まれても「あ〜なるほど」「確かに」と言われるような内容ばかりです。
お金がない(バイトをしにくい)
大学の部活はお金がかかります。
入部金
部費
遠征費
ユニフォーム代
新歓・追いコン・・・
年間で10万程度でしょうか。
経済的支援の乏しい大学や、部活となるとそのほとんどを部費で賄うので年間30万円の出費もあるところもあります。
それでいて、強豪となれば週6日の練習。
バイトする時間なんてさらさらありません。
私の場合は夜の飲み屋さんで21時から24時まで時給1500円で働いていました。
他には家庭教師も2件ほど。
それでも月々の給料は5万程度。
親の仕送りも合わせてなんとか生活が出来るかな、程度のお金です。
逆にその分「節約」の知識は身につきましたが。
変な部のルールがある
大学の部活によって独特のルールがあります。
私の所属する部ではありませんが、
「大学1年生は車通学禁止」とか
「同期が遅刻したら連帯責任で坊主」とか。
他にも
「新歓では1年生の卓上には皿と箸が置かれない(飲むだけ)」とか
「100m先であっても先輩らしき人には大声で挨拶しなければならない」とか
挙げればきりがありません。
ココでは社会の"理不尽さ"を学ぶことが出来ました。
狭いコミュニティを形成してしまう
大学の部活は付き合いが非常に濃くなり、狭いコミュニティを形成してしまいます。
大学の授業を受けていても
必ず周りには同じ部活の仲間が座ったり、
お昼ご飯も同じく部活で固まったり、
休みの日も部活の仲間と遊んだりします。
決してこれが悪いものだとは思いません。
ただ大学は同窓生が数百から数千人の規模でいるのにも拘わらず、数人の中で完結する交友関係になってしまいがちです。
大きな怪我をする
本気で部活をすれば怪我をします。
しかも、大学の部活はフィジカルが高校のそれとは比になりません。
これまで体験したこともない大きな怪我をする可能性を秘めています。
私自身、「大きな怪我をしたら引退する」と決めて大学に進学し部活を続けましたが、幸い手術をするような怪我には遭遇しませんでした。
それでも
眼球から出血したり、
重度の筋挫傷を起こしたり、
プレー中にむち打ちになったり、
腰痛で立ち上がれなくなったり、、、、
そう考えるとバスケットボールで多い捻挫なんてかわいいものです。
古傷となって生涯苦しめられる怪我もきっとあるはずです。
大学で部活を続けるなら、覚悟が必要です。
メンタルがやられる
大学の部活では徹底的にメンタルが削がれます。
先輩や全国区の選手達の大きな壁、
コーチからの理不尽なバッシング、
後輩からの突き上げ、
結果の出ないもどかしさ、、、
立ち直れないほどにメンタルがやられるケースもあります。
私は入部早々にメンタルをヤラレました。
原因はコーチとの折り合いがつかなかったことです。
当時の4年生が声をかけてくれ、一緒にトレーニングしたりしたことでなんとか保って居ました。
シーズンオフの明けから良いプレーが出るようになり、
コーチに認められるようになり徐々に心のモヤモヤは晴れていきました。
私の場合は先輩が居てくれたからなんとかなりましたが、
これも幸運です。
たいていの人は気がつきません。
楽しいはずのキャンパスライフに暗い影を落とすことにもなりかねません。
お盆の過ごし方が分からない
大学の部活はお盆の時期、たいてい合宿を張ります。
高校時代からお盆の時期も練習していたので
大学でもそれが普通と思っていました。
しかし、お盆になるとSNSには帰省した旧友の報告がズラリ。
そのときは何も思っていませんでしたが、
引退した最初のお盆(大学院修士1年生の頃)、
「お盆は帰るのか?」と親に聞かれハッとした記憶があります。
そもそもお盆って何するものだっけ?
社会の常識から少し浮いた存在になることも視野に入れなければなりません。
勉強時間が削られる
大学の部活は"ガチ"でやるため、勉強する時間の捻出に困ります。
平日の練習でも吐くような練習をします。
長期休暇ともなれば2部練といい、午前・午後みっちり練習します。
それから生活費を稼ぎにアルバイトを数時間行って帰宅した後からは
ほぼ記憶のない状態です。
気づけば朝。
これが充実してるか?と聞かれれば当時も今もはっきりと答えが出ません。
大学院の受験を決めてからは
授業の空きコマや長期休暇の練習開始前などの空いてる時間を使って勉強していましたが、これがまた集中できない・・・。
心身共に疲弊しているので、集中して勉強する環境を創作することには苦労します。
遊べない
大学の部活に入っていれば、ほぼ遊べません。
うまく遊んでいる学生もいますが、練習のことを考えたら遊ぼうなんて感覚にはなりづらいです。
飲み会を覚えたのも部活を引退した頃くらいでした。
逆にいえば、そこまで真面目に学生生活を送らなくても良かったと後悔も若干しているところではあります。
ただ、大学生は遊びを覚えると自制が出来ないので部活や学業全体に悪影響を及ぼすこともあります。
そういった意味では遊べないということはむしろ好都合かもしれませんね。
大学で部活を続けるメリット
大学で部活を続けるメリットもあります。
このメリットを感じられる、もしくは期待できるかどうかが部活を続けられる決め手となります。
上下関係をたたき込まれる(社会により適合した)
大学の部活では社会に出て通用する上下関係をたたき込まれます。
常識的ではありますが、
挨拶をする、
敬語を使う、
保護者を大切にする、
後援会を大切にするなどといったことを教え込まれます。
サークルのうわべだけの上下関係ではなく、
部活の上下関係は時に厳しく、時に後輩が先輩をいじったり
人と人のコミュニケーションをする上で重要な課題を克服してくれます。
それもそのはず、メチャクチャきつい練習でお互い死にそうになりながら日々過ごしている人同士、どこまでなら冗談が通じるか、なんて手に取るように分かるようになります。
言い換えれば「人を見る目」を養うことも可能とも言えます。
社会の縮図を体験できる
大学の部活は"社会の縮図"です。
部活の組織は真に会社そのもの。
部活(会社)の役職名を記載していきます。
部長(会長)
監督(社長)
コーチ(部長)
トレーナー(部長代理)
学生コーチ(課長)
主将(係長)
副主将(係長代理)
ざっと挙げるだけでこんな感じです。
強いチームほどこの組織がちゃんと機能しています。
組織が機能している部活のOBは社会に出ても一人前の社会人として活躍しています。
学生時代に"社会"を体験できるのは就活や就職してからも大きな財産、アドバンテージとなることは間違いありません。
こころが成長する
大学の部活では「精神的な成長」も見られます。
その多くの要因となっているのがデメリットにも挙げた
メンタルがやられるケース。
どん底まで突き落とされてしまってから、這い上がるまでに相当エネルギーを要します。
具体的に
何がいけななかったのか(課題分析)
どうすれば改善するのか(改善の提案)
行動に移す(実行)
再度見直す(再確認)
といったことを無意識のうちに行っています。
こうしてどん底を経験した選手、挫折を経験した選手は、一皮も二皮も剥けて立派な大人への階段をのぼりはじめます。
もちろん、成長に失敗して腐る選手も山ほどいます。
そんな中を生き残った選手は、人間的に大きな存在となることは間違いありません。
「失敗したことがいつか大きな財産となる」
この言葉の通り
部活を続けた選手の後ろには険しい山々が見守っていることでしょう。
カラダが成長する
大学で部活を続けると、身体がグンと大きくなります。
特に強豪大学ともなれば練習もさることながら、トレーニング量も尋常じゃありません。
年に2回程度の帰省のたびに親や親戚、旧友達から驚かれます。
「カラダデカくなったね」
トレーニングのノウハウを学生時代に身につけることが出来るのは
・部活に入る
・ジムに通いメンターと出会う
のいずれかしかありません。
社会に出てからもこの知恵は大いに有効活用できます。
気軽に同僚にトレーニング指導も出来ます。
なによりも、身体が大きくなれば世間の見え方も変わってきます。
大抵ことは許せてしまいます。
街中で困っている人が居れば助けようという気持ちにもなります。
部活ほど苦しいことはこの世に存在しないので人生が楽になります。
就活で無双する
4年間、部活を続けると就活で無双します。
部活を続けても就活には関係ないと言う論者もいますが、ちがいます。
何も考えずに4年間部活動に"在籍した人"が就活で失敗しているだけです。
4年間強い意志を持ってひとつのことを続けることは生半可のことではありません。
その人の口から出る言葉の重みは、「どれだけの意志で部活を続けてきたか」が手に取るように分かります。
実際、体育会出身者を採用したい企業は山ほどあります。
ここアスリートエージェント|体育会系専用の就職サイト【就活・転職】は真に体育会の人材を欲している企業と体育会出身者を引き合わせる専用の就職エージェントです。
また部活をしていても就活を並行して行えます。
就職エージェントに登録する必要(完全無料)はありますが、体育会出身者が就活で苦手とすることを全て潰してくれます。
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"慕われる先輩"と言う在り方を学べる
大学の部活では、「良い先輩」の在り方を学べます。
先輩と聞くと常に威張っていて怒鳴り散らかして後輩をゴミのように扱うイメージが湧きますが、確かにそういう人も居ます。
そんな先輩もいる中で際立って良い先輩と言われる先輩は
・ご飯を奢ってくれる(たまに)
・声をかけてくれる
・建設的な意見をくれる
・ご飯を奢ってくれる(まれに)
と言う特徴を持っています。
ご飯を奢って貰えるなんて部活に属していないとなかなか味わえる感覚ではありませんよね。
そして"どういう人が良い先輩か"という定義を自分なりに獲得することも出来ます。
社会に出たときに人望を集める人になりたければその先輩を見つけて見習うことから始めなければなりませんね。
高いレベルで競技を続けられる
大学の部活は非常にレベルが高いです。
中には代表クラスの選手もいることでしょう。
そんな選手と一緒に練習が出来るだけでも私は光栄でした。
その憧れはいつしか競争心に代わり、ライバルとして位置づけ、いつしか超えてやろうとモチベーションにもなりました。
感じ方は人それぞれですが、自分の好きな競技をより好きになれる、そんな側面もあると言えます。
高校の先生に褒められる
大学で部活を続けると、高校の頃、近寄り難かった先生に褒められます。
高校の先生も「まさかお前が大学で部活に・・・」なんて思ってもいません。
それだけ大学の部活は尊い存在でもありますし
見方を変えると"物好きが集まる場所"とも言えます。
ただ、教育者から見れば敢えて自分から険しい道のりを選択することは手放しで賞賛すべきことです。
「あのとき嫌いだったあの先生から褒められるなんて・・・」
母校の高校では時の人になれます。
かけがえのない"仲間"が出来る
大学の部活を4年間辞めずに続けたら「かけがえのない"仲間"」が出来ます。
苦楽を共にし、同じ釜の飯を食い、
時には涙し、時にはお互いを罵り合い、
決して良い友達とは言えないかもしれない、
ただそれでも4年間共に戦ってきた同期は、
お金じゃ買えない「最高の仲間」であることには間違いありません。
仲間は死ぬまで仲間です。
死んでも仲間です。
サークルに没頭していてここまで言える交友関係が築けるでしょうか?
部活だからこそ、わかり合える仲間がココにはあります。
結論:大学で部活を続けるメリットが僅差で勝ち(※ただし卒業後に感じられる)
結論として
部活を続けるメリットはデメリットを圧倒はしません。
しかも部活を続けて良かったと感じられる多くは部活を引退してからです。
それまでにデメリットを強く感じてしまえばもちろんそこで終わり。
イヤイヤ続けるものでもありません。
辞めたければ辞めても誰も文句は言いません。
しかし、ここに挙げたようなメリットがあると分かっているのであれば「後悔」が湧き出てくることもあるでしょう。
簡単に「部活は続けるべき」とは言えるけれども
部活を続けてこれたからこそ言えるものもあり、
辞めたくなったこともあったことを包み隠さず紹介してきました。
この記事が、悩んでいる大学生に届けば幸せです。