テニス世界ランク1位の貴公子、ノバク・ジョコビッチが実践したことで日本でも広まった【グルテンフリーダイエット】。
トップアスリートは往々にして腸内に不安を抱えています。
例えば、便秘や下痢、腹痛といった症状が頻発することを訴えています。
そして今、グルテンフリーダイエットより注目を浴びているのが
【低FODMAP食】です。
本稿では、
①低FODMAP食とは
②低FODMAP食が与えるメリット
③低FODMAP食のデメリット
について詳しくなれます。
目次
海外アスリートに大好評!
低FODMAP食とは?
FODMAP食とは腸内で発酵しやすい炭水化物の略称です。
具体的には、
・Fermentable(発酵性)
・Oligosaccharides(オリゴ糖)
・Disaccharides(二糖類)
・Monosaccharides(単糖類)
・And
・Polyols(ポリオール/糖アルコール)
に含まれる食品を指します。
これらの摂取量を減らす食事のことを【低FODMAP食】と呼びます。
Oligosaccharides(オリゴ糖)
オリゴ糖が多く含まれる食品には
豆類(大豆、ひよこ豆、納豆など)
とうもろこし
にんにく
ナッツ類
玉ねぎ
にら
ねぎ
小麦
ライ麦
があります。
納豆などが含まれるのはちょっと意外ですね・・・!!
Disaccharides(二糖類)
二糖類の食品は以下のものがあります。
牛乳
ヨーグルト
チーズ
アイスクリーム
ほぼ乳製品です!
乳製品を摂取してお腹を下すヒトはまさにこれですね!(乳糖不耐症)
Monosaccharides(単糖類)
単糖類の食品は以下の通りです。
果物(なし、さくらんぼなど全般)
はちみつ
果糖は単糖類に含まれます。
Polyols(ポリオール/糖アルコール)
ポリオールと呼ばれる食品は以下の通りです。
シュガーレス菓子(ガム)
マッシュルーム
果物
ご覧のように、
FODMAP食はカラダに良いとされる食品が多数あることが
見て取れると思います。
発酵食品は寿命、つまり健康にいいとことが明らかになっています。
FODMAP食は腸内で発酵する食品です。
腸内でFODMAP食は発酵する過程で
腸内細菌の働きでガスを発生させます。
発酵の過程で生じるガスが腹部膨張に繋がったり、
発酵仕切らなかった食品が下痢に繋がったりします。
腸内細菌の働きを活性化させる上ではFODMAP食はとても重要です。
しかし、細菌の働きが活性化しすぎると
お腹に不快な状況ができてしまうのですね。。。
低FODMAP食のメリットとは?
ここまで読んできてお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、
低FODMAP食は、
・腹部膨張(ガス溜まり)
・便秘
・腹痛
・下痢
と言った症状が度々生じる方にとって有効な食事です。
一般的に、
過敏性腸症候群(IBS: Irritable Bowel Syndrome)
と診断された多くのアスリートが低FODMAP食を実践することで
症状を改善しパフォーマンスを向上させています!!
過敏性腸症候群の疑いがある人は
FODMAP食を摂取することで上記の症状が頻発すると
医師と相談した方が良いといわれています。
過敏性腸症候群(IBS: Irritable Bowel Syndrome)
過敏性腸症候群になってしまう原因は明らかになっていません。
一説にはストレスが引き金となっていることが言われていますが、
実際は、分からない部分が多い症状です。
過敏性腸症候群は
全世界で人口の11.2%が潜在的に罹患していると言われています。
さらに!
男性より女性の方が圧倒的に症状を訴える人が多いと言います。
原因は分かっていませんが、
女性に便秘を訴える人が多い理由の1つなのかもしれません。
低FODMAP食のデメリットとは?
低FODMAP食による健康被害は今のところ報告されていません。
ただし、
過敏性腸症候群の症状がないヒトが
低FODMAP食を多用するリスクはあります。
①必要栄養素の不足
低FODMAP食にすることで食事の制限が増えます。
その結果、必要となる栄養素が不足するリスクがあります。
②食物繊維の不足
①と同様ですが、穀物の摂取制限がかかります。
穀物は食物繊維の量が豊富な食品です。
食物繊維の摂取量が減少することで、
様々な生活習慣病リスクがあがる可能性があります。
もっと詳しく低FODMAP食について学びたい方はこちらからどうぞ
●ソルガムきびで腸内環境改善!【FODMAP】
●グルテンフリーダイエットでお腹をすっきりさせる方法
まとめ
低FODMAP食は欧米アスリートに大人気のコンディショニング方法です。
はたして、日本人に適合するかに関しては
議論の余地があります。
しかし、すくなからず、
乳糖不耐症などの症状をお持ちの方は
散見されます。
FODMAP食を確認し、
どの食材がお腹へダメージを与えているのか
時間をかけて検証してみる必要があります。
FODMAP食は決して悪ではありませんので。
引用文献
Whelan K., Martin L. D., Staudacher H. M. & Lomer M. C. E. (2018) The low FODMAP diet in the management of irritable bowel syndrome: an evidence-based review of FODMAP restriction, reintroduction and personalisation in clinical practice. J Hum Nutr Diet. 31, 239–255