イソフラボンは大豆に含まれる微量成分のひとつであり、構造が女性ホルモンである「エストロゲン」に似ていることから、その働きが長く注目を浴びています。大豆はそのほかにもたんぱく質、炭水化物、脂質のほか、ミネラル、ビタミンなども含まれています。
大豆イソフラボンの摂取は長く社会で活躍する女性には必要不可欠な栄養素のひとつであることが近年の研究で明らかになっています。また直近では、日本人を対象とした大規模追跡調査において「納豆」を日常的に摂取しているヒトは、そうでないヒトに比べ死亡率が約10%低いことが明らかになっています。
本稿を読めば
①女性が大豆イソフラボンを摂るべき理由
②大豆イソフラボンが多い食品
③大豆イソフラボンサプリメント
について詳しくなれます。
目次
女性が大豆イソフラボンを摂るべき理由
大豆イソフラボンは女性ホルモン「エストロゲン」と分子構造が酷似していることから、植物性エストロゲンと言われています。エストロゲンは主として胎盤や卵巣から分泌される性ホルモンのひとつで、第二次性徴後の妊娠出産の準備をする際に活躍するホルモンです。
次項ではこのエストロゲンについて少し深掘りします。
エストロゲンとは?
エストロゲンとは女性ホルモンのひとつで、卵巣および胎盤から分泌されます。第二次性徴後から顕著に増加し、妊娠や出産の準備をすると言われています。
エストロゲンは閉経後には分泌がほぼ消失すると言われています。エストロゲンはカルシウムの溶解を抑制する働きを持っています。そのため、閉経後の女性において骨粗鬆症による骨折が頻発するのはこの為であると言われています。
骨粗鬆症は現在日本において推計1280万人を数える、代表的な生活習慣病の一つであります。骨粗鬆症の恐ろしいところは、まるで無自覚で進行していき、骨折など起こして初めて気づくことが多い、大変怖い病気です。骨粗鬆症が引き起こす損害は、骨折が主な事象になります。しかしながら、この骨折は働き盛り、育ち盛りの世代にとっての骨折とは違い、完治までの時間を多分に要します。さらに、骨折する部位が人間の最も強い部分(大腿骨)であったりするため、著しく生活の質を低下させることが報告されています。そのため、骨粗鬆症に起因する骨折は、寝たきり、心臓病、死亡率、そして経済的損失に直結すると言われていることから、早急な予防策を講じる必要が叫ばれています。
エストロゲンは加齢と共に体内で作り出すことが困難になっていくことと並行し、生活習慣病のリスクを向上させてしまうことになります。加齢による生活習慣病のリスクを少しでも低減させるためにも大豆イソフラボンを摂取することがオススメできるわけです。
大豆イソフラボンが多い食品
大豆イソフラボンを多く含む食品は、名前の通り大豆製品に含まれています。しかしの製品の製法によっては、加工過程で微量成分が抜け落ちてしまっている可能性があります。
先日、ニュースでも取り上げられた論文を紹介します。
大豆および発酵大豆製品の摂取と総死亡の関連を調べた追跡研究です。
92,915 人 (男性;42,750 女性;50,165)を平均14.8 年追跡
追跡期間中に13,303人の死亡が確認された。
○大豆の摂取量と死亡率の間に明確な関連なし
○発酵大豆食品と死亡率には明確な負の相関関係あり
○中でも納豆の摂取量との関連があり。
味噌や豆腐などは加工工程の際に微量栄養素が抜け落ちていることが原因ではないか?
Katagiri et al. Association of soy and fermented soy product intake with total and cause specific mortality: prospective cohort study. BMJ. 2020 Jan 29;368:m34. doi: 10.1136/bmj.m34. PubMed PMID:31996350.
つまり、この論文からすると、納豆のように大豆をすりつぶして加工したりしない大豆製品が栄養価的には最もいいパフォーマンスをするのではないかと言うことになります。また、きなこのようにただすりつぶしているだけの製品も大豆に含まれれる栄養素を逃がさず取り込むことができるものと言えます。
上記の表からも分かるとおり、きなこは大豆そのものと同等のパフォーマンスを見せてくれます。
大豆イソフラボンサプリメント
大豆イソフラボンを効率よく摂取するためには、加工工程の少ない大豆製品(納豆やきなこ、大豆そのまま)を摂取する必要があります。その中でもイソフラボンを凝縮したサプリメントと、ほぼきなこのソイプロテインは特出したパフォーマンスの高いイソフラボンサプリメントと言えます。
大塚製薬 ネイチャーメイド 大豆イソフラボン
大塚製薬のロングセラー、ネイチャーメイドがお送りする大豆イソフラボンサプリメント。大豆製品を食べる時間がないヒトにとっては場所を選ばずイソフラボンを摂取できるツールとして非常に人気の商品です。
大豆プロテイン 無添加 飲みやすいソイプロテイン
ソイプロテインは無添加の製品を選ぶようにしてください。その分、多少の粉感はあり若干の飲みづらさは感じますが、ほぼきなこです。無添加であるがゆえ、その他の食事への応用がしやすいプロテインは一家に一袋常備しておいてもいいかと思います。
まとめ
大豆イソフラボンは古くからその効能が健康にとっていいものとして広まってきていますが、時間の乏しい現代人には欠落しがちな栄養素です。また納豆の消費量はここ数年で落ち込んでると聞きます。今一度食生活の見直しと、運動習慣の確保をすることで人生100年時代に備えましょう。