最近ちまたで話題の『グルテンフリーダイエット(食)』がおすすめな理由とその入手方法についてご紹介致します。
目次
こんなに人におすすめ
- グルテン不耐症(過敏性腸症候群など)の方
- 便秘の疑いがある方
- 健康的に痩せたい方
- アスリートの方
以上に該当する方は、グルテンフリーダイエットを取り入れた食生活が推奨されます。
そもそもグルテンとは
グルテンフリーダイエット生活をするに当たって、まずはグルテンについての知識を入れておきましょう。
◎グルテンとは
出典:小麦・小麦粉に係る基礎知識
小麦粉中には蛋白質が6~15%含まれている。いろいろな特性を持つ蛋白質が混在しているが、その約85%はグリアジンとグルテニン(両者はほぼ同量)である。小麦粉に水を加えて捏ねると、このグリアジンとグルテニンが絡み合ってグルテンができる。
グルテニンは弾力に富むが伸びにくい性質の蛋白質であり、逆に、グリアジンは弾力は弱いが粘着力が強くて伸びやすい性質を持っている。この性質が異なる2つの蛋白質が結びつくと、両方の性質(粘着性と弾性)を適度に兼ね備えたグルテンになる。小麦を粉砕して利用するのは、グルテンを形成しやすくするためである。
◎量と粘弾性のバランスに差があるグルテン
原料小麦の種類や品質、加える水の量、副材料や添加物の種類や量、および捏ね方によって、できるグルテンの量と粘弾性のバランスが微妙に異なる。硬質小麦は軟質小麦より蛋白質を多く含むから、形成されるグルテンの量が多い。グルテニンとグリアジンの比率や分子構造によって、グルテンは粘着力が強かったり、弾力が強かったりする。
その小麦粉に適した量の水を加えてよく捏ねると、グルテンがしっかり形成されるが、水が足りない場合や捏ねが不十分だと、もろくて弱いグルテンしか得られない。
まとめますと、
- グルテンは小麦に含まれるたんぱく質
- 小麦粉になるとグルテンが生成されやすい
- パンの膨らみや、うどんのコシのもと
ということなので、粉もの製品に囲まれている我々の生活と非常に密接に関わっていることがわかります。
グルテンフリーダイエットがおすすめな理由
牛乳を飲んでお腹がグルグルしたり下してしまう人は『乳糖不耐症』といわれているように、実は小麦でも同じ症状が出ることが最近報告されています。
それが、『グルテン不耐症』や『セリアック病』、または『グルテン過敏症』さらに『過敏性腸症候群』と診断される人に対しては、食事療法として『グルテンフリーダイエット』が推奨されます。
かのテニス世界ランキング1位のノバクジョコビッチ選手も、長年『グルテン不耐症』に悩まされており、『グルテンフリーダイエット』に切り替えたところ、これまでの体調不良が改善され、練習に集中できる環境が整い、さらに体重の減少も付随して起こった結果あれよあれよと世界の頂点まで上り詰めてしまいました。
そのため、便秘やお腹の調子が普段から優れない方はもしかしたら『グルテンフリーダイエット』に光明を見いだせるかもしれません。
グルテンフリーの危険性
グルテンフリーダイエットは何でもかんでも健康に恩恵を与えるワケではありません。
2015年にBMJ誌に掲載された"Celiac disease and non-celiac gluten sensitivity"という論文を紹介します。
Celiac disease and non-celiac gluten sensitivity
セリアック病と非セリアックグルテン過敏症
セリアック病でない人がグルテンフリーにすると非セリアックグルテン過敏症になる可能性がある
さらに心疾患系に罹患するリスクが高まる可能性がある
Celiac disease and non-celiac gluten sensitivity
Benjamin Lebwohl, Jonas F Ludvigsson, Peter H R Green
さらに2017年、アメリカ心臓協会(AHA)の学術集会においてこんな演題も発表されています。
Low gluten diets may be associated with higher risk of type 2 diabetes
低グルテン食は2型糖尿病罹患と関連している可能性がある
Study highlights;
出典: Low gluten diets may be associated with higher risk of type 2 diabetes
● Diets higher in gluten were associated with a lower risk of developing Type 2 diabetes.
(高グルテン食は2型糖尿病罹患リスクを低下させることと関連が認められた)
●Study participants who ate less gluten tended to eat less cereal fiber, a known protective factor for developing Type 2 diabetes.
(参加者はグルテン摂取量低下に伴い穀物繊維の減少傾向があったため、2型糖尿病罹患に繋がった可能性が考えられる)
グルテンフリーダイエットを取り入れることにより、食物繊維摂取量の減少が循環器系疾患の発症リスクを高めているのではないかと言われています。グルテンフリーを取り入れる際は、その他の食事で繊維を意識的に摂取しなければならないことは明白ですね。
グルテンフリーダイエットは糖質制限食と同じで迂闊に初心者が手を出してしまうとリスクも伴ってくるので、しっかりとした知識が必要になります。
グルテンフリーダイエットの入手方法
グルテンフリーの食品は以下のようなものが挙げられます。
グルテンフリー食品はAmazon、楽天、Yahooショッピングで購入できます。
●マルトデキストリン
●コーン
●あわ
●オート麦(燕麦)
●米
●ソルガムきび
ソルガムきびについてはこちらも合わせてご覧ください。
●そば
●キノア(話題のスーパーフード)
小麦粉は日々の生活ほぼ全てに使われているといっても過言ではないほど生活に浸透しています。そのため、小麦粉を生活から除去するとなかなか耐えられない苦痛もあることでしょう。
これらのようなグルテン代替食品を粉末にすることで小麦粉により近いテイストや食感を与えることができます。
まとめ
グルテンフリーダイエットの恩恵として体重減少が認められることは確かではありますが、食事の絶対量が減少するために起こるものと考えられています。
そのため、不足する他の栄養素はサプリメントや食材で補うようにしなければなりません。
くれぐれも『グルテンフリー』を過信しないように。。