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「CBDオイルとかヘンプオイルって最近よく耳にするけど、一体なんなの?効果ってあるの?」
こういった疑問にお答えします。
CBD/ヘンプオイルについては2010年頃からアメリカで商業利用が盛んになっている、植物由来のオイルです。
元来は、医療現場に用いられる鎮痛剤「オピオイド」に代わる自然由来の薬品として注目されてきた経緯があります。
CBDやヘンプと言った名前は「麻」から抽出される成分または形態のことである。
一般的に、違法成分(陶酔成分)とされるTHC(テトラヒドロカンナビノール)含有率が0.3%未満であることがCBD/ヘンプ製品の条件とされます。(THCには向精神的効果もあるため医療用としてしか入手できません。もし不法に手にすると・・・。。)
現在では、麻の成分から向精神性のあるTHCを限りなく取り除いた(<0.3%)様々なCBD製品が嗜好品として流通しています。
この記事では「そもそもCBD/ヘンプオイルの効果って何?」ってところを科学的根拠を元に紹介解説していきます。
CBD/ヘンプオイルの特徴(医療用として認められたもの)
CBDオイルは元来医療用に開発されたことに端を発します。
そのため多くの医科学論文でその効果が検証されています。
ここでは実際に蓄積されたエビデンスを紹介していきます。
1. 不安症やうつ病を相殺できる
CBDオイルの鎮静作用は、おそらく最も人気のある効果であり、これほどまでCBD利用が広まっている理由でもあります。
ブラジルの精神医学ジャーナルに掲載された2017年の研究では、57人の男性に人前で話す模擬テストを行い、不安レベルを調べました。
ある者はプラセボを、他の者はスピーチの前に150mg、300mg、600mgのいずれかのCBDを投与しました。
300mgのCBDを受け取った人は、プラセボを受け取った人に比べて、テスト中の不安が大幅に減少しました。
興味深いことに、150mgまたは600mgのCBDを受け取った参加者は、300mgのグループよりもテスト中に多くの不安を感じると報告しました。
動物実験においても、CBDオイルは抗うつ剤と同等の効果を示した報告もあります。
2.特定のてんかん症の治療に有効
時に、CBDオイルはてんかんの発作にも使用されることがあります。
アメリカ食品医薬局(FDA)は特定のてんかんの発作を治療するために認可しています。(Epidiolexというブランドのみ)
このFDAの決定に至るまで、多くの検証がされており信頼度の高い決定と言えます。
3.PTSDの症状を軽減する
2018年の小規模研究では、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の11人が、外来の精神科クリニックで8週間、通常の精神科治療と一緒にCBDを受けました。
11人中10人がPTSDの症状の軽減が見られたことから、CBDオイルは概して良好な忍容性を示したといえます。
4.オピオイド中毒を改善させる
※オピオイド・・・ケシの実から抽出され、生成された化合物。鎮痛や陶酔の成分が含まれており、痛みの非常に強いガンの疼痛管理には不可欠である。一方で高容量の摂取による昏睡や呼吸困難、最悪の場合死に至る事案が多く、アメリカでは社会問題となっている。
動物実験とヒトの臨床試験の両方において、CBDオイルがオピオイドに依存している人々の治療に役立つ可能性を示唆する研究があります。
ある1つの研究では、ヘロイン使用障害を持つ人々にCBDを投与しました。1週間にわたり、CBDはヘロイン使用による渇望、離脱不安、安静時心拍数、唾液中コルチゾールレベルを有意に減少させたと報告しています。
他の研究では、CBDが薬物使用障害患者の不安、不眠、痛みなどの様々な精神的・医学的症状の軽減に有用であることが分かっており、CBDがオピオイド中毒の有効な治療法である可能性を示しています。
5.ALSの症状を緩和する
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、脳や脊髄の神経細胞が衰え、筋肉のコントロールができなくなり、時間の経過とともに悪化する病気です。我が国では難病に指定されています。
ALSがなぜ発症するのかについては、遺伝性の場合もありますが、まだ正確には解明されていません。治療法は確立されておらず、FDA(アメリカ食品医薬局)が承認したALS治療薬は2種類のみです。
2019年の研究では、ALSによる軽度、中等度、重度の痙性(筋肉のつっぱりやこわばり)のある方は、治療に対する満足度が高く、中等度から重度の痙性のある方は、軽度の痙性のある方よりも高い満足度が報告されています。
6.糖尿病合併症の緩和
ヒトの細胞を用いた試験で、CBDオイルは高グルコースレベルを軽減することを発見しました。
研究者たちは、さらに研究を進めれば、CBDを糖尿病、糖尿病合併症、動脈壁のプラーク蓄積の患者に使用した場合、大きな効果が得られる可能性があると結論付けています。
別の小規模な研究では、インスリン治療を受けていない2型糖尿病患者13人に、CBDとプラセボ(インスリンの代わり)の両方を投与しました。試験を始める前のベースラインと比較して、CBDオイルがレジスチン(糖レベルを調節するタンパク質であるインスリン抵抗性を引き起こす)のレベルを低下させ、グルコース依存性インスリントロピックペプチド(消化した食物からインスリンを十分に放出するためのホルモン)のレベルを上昇させることが発見されました。
これらの結果は、CBDオイルがインスリン関連するホルモンレベルを調整するのを助けることによって、糖尿病の自然な治療法になり得ることを示唆しています。
7.神経疾患を予防する
数々の臨床試験では、CBDオイルには抗酸化作用と抗炎症作用があることが示されています。研究者は、これらの特性が重要な神経保護、すなわち多くの病理学的障害からの保護を提供することができると推論しています。
いくつかの前臨床研究では、CBDオイルがパーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症に対して有益な効果をもたらすことが示唆されています。
8.関節性炎症の緩和
※関節炎・・・関節とその周辺の組織の劣化を伴うもの。関節炎にはいくつかの種類があり、症状としては、痛み、こわばり、可動制限などがある。関節炎の治療は、通常、痛みの緩和と関節機能の改善を目指して行われる。
2006年の研究では、2010年に英国で承認されたCBDベースの植物性医薬品であるSativexは、プラセボと比較して、関節リウマチ患者の睡眠の質、動作時の痛み、安静時の痛みを統計的に有意に改善することを示しました。この試験は、関節リウマチの治療薬としてSativexを用いた初の対照試験であり、58名の患者さんが参加しました。CBDオイルには鎮痛作用のほか、疾患活動性を抑制する作用があることが確認されました。
医療用CBDの効果まとめ
医療用として認可されたCBDオイルは多くはないものの、臨床試験や動物実験において以下の作用が期待される結果となっています。
CBDに期待される効果
- うつ、不安症
- てんかんの発作
- PTSD
- オピオイド中毒
- ALSの症状
- 糖尿病合併症
- 神経疾患
- 関節炎
一貫して強くエビデンスとして明らか人されているのはCBDオイルの鎮静作用・抗酸化作用である。
鎮静・抗酸化は多くの科学論文で実証されているとおり、様々な生活習慣病リスクを軽減することが明らかになっています。
そういった点でもCBDオイルは明るい可能性を秘めた成分なのではないかと言えますね。
CBD/ヘンプオイルの効果(アスリートに対して)
CBDオイルの鎮静作用・抗酸化作用は先述の通り多くの科学的根拠で示されいるとおりです。
近年ではあらなた臨床研究も行われてきており、その汎用性の広さを改めて実感させられます。
CBDオイルは、中毒性のカンナビノイドであるΔ9 -テトラヒドロカンナビノール(Δ9 -THC)とは異なり、世界アンチ・ドーピング機構によってもはや禁止されておらず、ヒトにおいて安全かつ十分に耐容性があると言われています。
ここではCBDオイルの様々な生理的・心理的作用のうち、スポーツおよびスポーツに関連するエビデンスを紹介していきます。
筋肉の疲労や炎症を抑制する
激しい運動やエキセントリック収縮のような運動、または不慣れな運動をした際に生じる筋損傷(筋肉痛を含む)は筋機能を低下させ炎症反応が生じます。
経験のある方はご存じかと思いますが、大変キツい現象ですね。
これまで分かっていることとをまとめると以下のようになります。
急性期の炎症に対して、CBDオイルは
- 免疫細胞の蓄積を抑制する
- 抗炎症性サイトカイン(IL-4, IL-10))の産生を刺激する
- 炎症性サイトカイン(IL-1β, IL-6, IL-8, TNF-α)および活性酸素種の抑制
といった働きを示すことが明らかとなっています。
脳震盪や神経保護に有効である可能性
スポーツ界における脳震盪は全米の高校大学生の30%は経験していると言えるほど一般的なスポーツ外傷となっています。
加えて、脳への深刻なダメージは脳神経系の慢性変性疾患へ繋がったり自殺のリスクを高めることが既に明らかになっています。
脳震盪は軽度外傷性脳損傷(TBI)とは異なる過程を経るが、症状など力学的圧力に起因する点、神経学的、認知的な部分でよく混同されることがあります。
ある1つのTBIモデルの実験動物を使った研究では、CBDオイルは行動学的(不安・攻撃的行動、うつ様行動、社会的相互作用の障害、疼痛関連行動など)および皮質生化学的異常のいくつかを減弱させることを報告しています。
また、TBI急性期におけるCBDオイルの摂取よりも、慢性期におけるCBDオイルの摂取がより効果的であることも示唆されています。
消化器系の炎症を軽減させる
高強度の運動が持続されると、骨格筋、心肺系、皮膚への血液供給を増加させますが、消化管を含む他の臓器や組織への酸素や栄養の供給は減少していきます。
特に40分以上持続される運動においては消化器系の虚血は身体に深刻なダメージを誘発し、消化器系の苦痛(例:吐き気、嘔吐、腹部狭心症、血性下痢)および栄養の取り込み障害により、運動パフォーマンスおよび運動後の回復に悪影響を及ぼす可能性があります。
そういった運動による消化器系のダメージに対し、CBDオイルは有効である可能性が示されています。
例えばCBDオイルは急性末梢虚血再灌流(例えば腎臓、心筋、肝臓)によって引き起こされる組織損傷(例えば、壊死、組織損傷マーカーの血液濃度および炎症の減少)を減弱できることを示しています。
したがって、高強度のトレーニングを積むアスリートにとってCBDオイルの摂取はパフォーマンスを向上させる一因となり得るかもしれません。
骨の健康にも有効である可能性
高強度の運動が骨密度を高めることや骨の形成を促すことについては確立されたエビデンスがある一方、スポーツの状況における他の要因(例えば、外傷、低エネルギー利用可能性)は、スポーツ選手の骨の健康低下及び骨折の発生を引き起こすか、またはその一因となる可能性があると言われています。
そんななか、少ないエビデンスではあるもののCBDオイルの摂取が骨に対して有益である可能性が示唆されています。
とある動物実験では大腿骨骨折したラットにCBDオイルを摂取させたところ、治癒が早まったことを報告しています。
具体的なメカニズムについては未だに不明ではありますが、CBDオイルはRANK及びRANK-Lの発現を抑制し(すなわち、破骨細胞形成を促進する効果を示し)、損傷部位の炎症性サイトカイン(IL-1β、 TNF-α)の産生を減少するように作用すると考えられています。
食欲を抑制する可能性
適切な食事や栄養摂取はリカバリーやパフォーマンスを高めるために重要な要因です。
実験動物を使った実験では、高容量のCBDオイル摂取が食事数時間後に影響する可能性が示されています。
ヒトの臨床試験の最近の系統的レビューでは、CBDオイルを摂取たてんかん患者は、プラセボを投与された患者よりも食欲減退を経験する可能性が高いことが分かりました。
とはいえ、このような効果のメカニズム的な理解にはの摂食行動への影響については、まだ確立されていないのが現状です。
風邪などの感染症の予防に有効である可能性は極めて低い
高強度のトレーニングを積むアスリートは得てして上気道感染症(風邪)を罹患しやすくなることが、多くのエビデンスで示されています。
その理由として挙げられているものは、
- 免疫機能の一時的な低下
- 心理的ストレス
- 極限の状態に長時間曝される
- エネルギーの利用効率の低下
と考えられています。
抗酸化作用・鎮静作用を持つCBDオイルは上記の要因に対して有効な効果をあげることが期待されています。
しかしそのCBDオイルの効果はほぼほぼ限定的で、期待された効果はないと言えます。
CBDオイルは様々な免疫細胞の機能を修正する傾向があるため、侵入する病原体に対する宿主の防御を弱める可能性があると考えられています。
報告としては、難治性てんかん患者におけるCBDオイルの安全性を調査した研究の系統的レビューで、上気道感染症は、活性治療及びプラセボ(約10%の個人)を受けた参加者で同様に頻度が低いことが分かったことです。
しかし、一概に結論が出せない状況でありCBDオイルがアスリート及び非アスリート集団の両方において疾病及び感染症の発症及び進行に「もし」および「どのように」影響を及ぼすかについてより良い理解を深めるための更なる研究が必要と言えます。
試合前の不安症の改善に有効である可能性
試合前における極度の緊張や不安症は、パフォーマンスを決定づけると言っても過言ではありません。
この障害は、直接的効果(不安神経症など)と間接的効果(栄養摂取量の減少、エネルギー消費量の増加、睡眠不足など)の両方が原因であるとされています。行動療法(例:認知行動療法)が事前治療として行われているが、場合によっては薬物療法と心理学的介入の併用が適応となることもあります。
CBDオイルの介入の結果、「低いストレス環境下」では大きな効果は見られなかったものの、「ストレスを誘引する環境」においては抗不安作用を示したことが報告されています。
まとめると、CBDオイルは、ストレスの多い状況において、抗不安作用を発揮する可能性があるようです。したがって、試合前の極度の不安によって悪影響を受けるアスリートにおいて、競技前の不安、ならびに栄養摂取、エネルギー消費、運動中の症状認知(例:知覚的労作評価)、および睡眠に対するCBD(行動療法と併用)の効果を調べる研究が必要であります。
睡眠の質・時間を改善させる可能性
適切かつ十分な睡眠をとることは、アスリートのパフォーマンスに絶大な影響を及ぼします。
しかし、現状では非アスリートと比べ平均的に睡眠時間や睡眠の質が低いことが指摘されています。
とある研究では、CBDオイルの摂取で入眠時間や睡眠の中断などに変化はないものの睡眠時間は有意に増加したことを報告しています。
しかしながら、別の研究では、CBDオイルには直接的に健康な人の睡眠状態を改善させる効果が認められないという報告もあります。
観察された改善は、CBDオイルが他の睡眠障害併存状態(例えば、不安、PTSD)を減弱させることによる可能性が考えられます。
とはいえ、現代人はなにかしらの心理的ストレスがかかっていることを考えたら、CBDオイルの効果を実感する人も多いのではないかとも言えます。
CBDオイルとアスリートのまとめ
CBDオイルは、多くの生理学的、生化学的、心理学的効果を発揮することが報告されており、アスリートに恩恵をもたらす可能性があります。
例えば、CBDの抗炎症作用、神経保護作用、鎮痛作用、抗不安作用に関する予備的な支持証拠があり、炎症に伴う消化器系のダメージから保護し、外傷性骨格損傷の治癒を促進する可能性があります。
しかしながら、これらの知見は非常に予備的で、時には一貫性がなく、大部分が前臨床試験から得られたものであることを認識することが重要です。
このような研究は、アスリート(及び一般的なヒト)に対する一般性が限られており、また、ヒトで再現することが困難な高用量のCBDオイルが投与されることが多いのです。
中心的な観察は、CBDオイルとスポーツのパフォーマンスを直接調査する研究が不足しており、これらが実施されるまでは、その効果に関して推測するしかないということです。
おすすめCBDオイル2選
CBDオイルは世界的にも幅広く流通しており、次世代を担う健康食になり得るポテンシャルを持っています。
それにともない、覚醒成分であるTHCが0.3%未満であれば日本でも合法的に販売、所持・飲用することが可能となっています。
そこで、我が国でも合法的に販売しており、安心安全のCBDオイルを提供するショップを紹介します。
Greeus(国産CBDブランド)
CBDオイルの他、CBDプロテイン、CBDグミ、CBD歯磨き粉などを提供する国産ブランドです。
その特徴はなんといっても他社より安い。
また早稲田大学との共同研究を実施するなど、精力的にCBDオイルの普及に邁進する、優良ブランドです。
NatureCan(ネイチャーカン)
NatureCanはプロテインやアミノ酸も展開する総合サプリメントブランド。
CBDオイル以外にも、CBDグミ、CBDプロテイン、CBDバターなど種類の多さは群を抜いています。
特筆すべきは、アメリカの厳正な農場からCBDを仕入れ、一切の人工的な加工を付加しないこと。そのため高純度かつ超高度な安全性を確保して製品化に成功しています。
その保証として3つの外部検査機関にて安全性およびTHCレベルの認可を受けており、その本気さが伺えます。
CBDオイル濃度も6種類(5%・10%・15%・20%・30%・40%)から選ぶことができ、ユーザにとっては使い勝手がいいです。
NatureCanはマイプロテイン創業者によって創設されたブランドであるため、プロテインを普段マイプロテインから買っている私にとっては非常に近いブランドでした。
Reference
- 9 Science-Backed Benefits Of CBD Oil, Forbes, https://www.forbes.com/health/body/cbd-oil-benefits/
- McCartney D, Benson MJ, Desbrow B, Irwin C, Suraev A, McGregor IS. Cannabidiol and Sports Performance: a Narrative Review of Relevant Evidence and Recommendations for Future Research. Sports Med Open. 2020 Jul 6;6(1):27. doi: 10.1186/s40798-020-00251-0. PMID: 32632671