「プロテインって健康に悪いんでしょ?」
「プロテインの健康被害を知りたい」
「プロテインって誰が飲んでも大丈夫なの?」
こういった疑問にお答えします。
筆者はこんな人
●東京大学大学院 (博士)
●中高バスケ部トレーナー
●体育系大学教員
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本記事の内容
○プロテインの過剰摂取は肝臓・腎臓を破壊する
○食事から摂取することが基本
○適切な摂取量を守ろう!
目次
プロテインの健康被害は大きく2つ
プロテインの抱える健康被害は大きく分けて2つあります。
その多くの原因が『過剰摂取』によるもので、プロテイン自体が毒素を持って人体を攻撃しているわけではありません。
※「プロテイン=悪」と主張する人の多くは、日頃から運動をしていない人が「プロテイン=魔法の粉」と勘違いしているからこそ、警鐘を鳴らす意味で述べていることをご理解ください。
肝臓への負担
プロテインの過剰摂取による健康被害その①は「肝臓への負担」が増加します。
肝臓は「肝(きも)」と言うように、臓器の中で休まることのない臓器です。
我々人間は、食事をすると、まず胃で分解が始まり、小腸へ運ばれ消化と吸収が起こります。さらに残ったカスなどは大腸で水分を搾り取られます。
吸収された栄養素は肝臓へ運ばれ体内で利用されやすい形に変換することで、血液中に放出、もしくは貯蔵します。
肝臓では糖質、タンパク質、脂質といった多様な栄養素を変換することで、足りない栄養素を補給したりすることもわかっています。
言ってみれば「24時間営業の工場・物流拠点」とも言えます。オーダーが入ればすぐに稼働し、運ばれてきた資材(栄養素)から必要な製品(栄養素)を作り出し、それを流通経路(血液)に流し込む。
つまり、「肝臓は休まることのない臓器」と言えます。
そこの大量のタンパク質(肝臓にはアミノ酸として流入)が流れ込んできたら・・・大渋滞起こしますよね?
肝臓がパニックを起こさないためにも、適切な摂取量を守ることが重要ですね。
余談:「休肝日って効果あるの?」
肝臓は休まることのない24時間営業の工場兼物流拠点です。その観点からいくと、お酒を飲まない日=休肝日を作ったとしても、肝臓自体は働き続けています。お酒を飲まなくても肝臓を悪くする人だっています(脂肪肝など)。
肝臓という臓器は、人体の中で筋肉に次ぎ、最もエネルギーを消費する器官として有名です。肝臓の機能を高めてあげることで、太りにくいからだも実現できるわけです。
一度肝臓を悪くしてしまうと、なかなか後戻りできないと聞きます。
アルコールはほどほどに、運動は多めに、糖質・脂ものは控えめに、していくことが最強の休肝と言えるでしょう。
腎臓への負担
高タンパク質食で負担がかかる臓器のもう1つは『腎臓』です。
腎臓は、皆さんもよくご存じ、尿を作り出す最終的な機関です。
高タンパク質食によって血中のアミノ酸が吸収できない量に達すると、酸化され尿素窒素に変換されます。尿素窒素は最終的に尿中から排出されますが、腎臓を通過する段階で量が多ければ目詰まりしてしまいます。
通常、尿素窒素は腎臓で濾過されることで体外へ出ていきますが、供給過多の状態が続けば血液中に「尿素窒素」として残存します。
この尿素窒素はタンパク質摂取量と比例関係にあることから、血液中の尿素窒素を測定することで『腎機能』のスクリーニングをすることができます。
腎臓の尿素処理能力が低下すると、腎臓肥大を引き起こし、慢性腎不全に繋がる可能性もあります。
腎臓は2つあるので1つくらい摘出しても生命の維持はできますが、生活の制限は大きくなるので、タンパク質の食べ過ぎ、飲み過ぎには注意が必要です。
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プロテインを飲む人が
健康診断で気をつける項目
高タンパク食で負担がかかる臓器「肝臓」・「腎臓」の評価に使われる健康診断のマーカーは以下の通りです。
肝臓
血液検査
○AST、ALT(肝細胞):健康な人AST>ALT、肝障害AST<ALT
○γ-GTP(酵素):タンパク質分解酵素(アミノ酸代謝)、肝臓に負荷がかかると増加する。
尿検査
○ケトン体:脂質が肝臓で代謝されるときに産生。尿中に現れたら異常を疑う。
○ウロビリノーゲン:少量は正常。大量となると肝障害疑いあり。
○ビリルビン:肝障害疑いあり。
腎臓
血液検査
○クレアチニン:筋肉内のクレアチンがエネルギーとして使われた代謝産物。通常、食事の影響を受けず、腎臓より排出されるので、血液検査で高値になると腎機能が低下していると解釈する。
○尿素窒素:タンパク質の最終代謝産物。タンパク質の摂取量にと尿素窒素産生量は比例するので、注意が必要。高値になりすぎると、腎臓の機能低下によって排出できていないと解釈できる。
尿検査
○尿蛋白(たんぱく):タンパク質は最終的に腎臓でコシ取られるが、機能が低下していると、尿中にタンパク質が流出する。
○尿潜血:尿に血(赤血球)が混ざっている状態で、尿が生成されて排出されるまでの通り道に炎症が起きていると解釈できる。
プロテインと健康被害には不明な点が多い
アメリカの研究グループが学術雑誌「栄養と代謝」に投稿した研究によると、1日に体重1kgあたり3gのプロテインを摂取しても健康被害は生じないことを報告しています。
世界的にトレーニングをする成人男性のプロテイン推奨摂取量は多くても体重1kgあたり2gと提唱されていますが、この研究グループは1年間、多めのプロテインを飲ませて実証しました。
その結果、腎臓、肝臓共に血液検査で異常は見られず、通常量を摂取していた集団よりも摂取カロリーが多かったにも拘わらず、体脂肪の量は増えていないことも明らかとなりました。
要点
○1日に体重1kgあたり3gのプロテインを摂取
○1回25gのプロテインを数回
○肝臓・腎臓共に健康
○体脂肪増加なし
●ハードにトレーニングすることが条件
まとめ:プロテインは健康のために飲むもの
プロテインは自らが健康になるための、アクセントとしての立ち位置が非常に重要です。
実際に、不摂生な生活をしている人はプロテインを飲まずとも肝臓・腎臓に疾患を抱えています。
プロテインは「魔法の粉」ではありませんし、かといって飲み過ぎて健康を害すことも今のところは報告されていません。
つまり、日頃からバリバリ運動やってる人は、たくさん食べて、足りない部分をプロテインで補っていれば全く問題ないと言うことです。