疫学を詳しく学ぶための本って
あんまり知りませんよね?
それもそのはず。
「誰もまとめてくれないから」。
私も大学院時代に
疫学の世界に足を踏み入れましたが、
世には大量の良書があることを実感しています。
ここでは
『疫学おすすめ本』を紹介していきます。
この記事を読んでほしい人
○医学・栄養学・看護学生
○体育大大学生
○ヒトを対象とする研究をする大学院生
○世のニュースの真相を知りたい人
記事の信頼性
●【最終学歴】東京大学大学院 (博士)
●【現職】大学教員
●【専門分野】健康科学・疫学
目次
疫学とはなに?を学ぶためのおすすめ本
『疫学とはなにか?』
疫学研究の初歩として学ぶための本をここでは紹介します。
ロスマンの疫学
ロスマンの疫学は疫学研究者は誰もが読んでいる名著。
この本に全てが書いてあると言っても過言ではありません。
学部生には多少難しいですが、
読む価値はあります。
難易度:★★★★★
基礎から学ぶ楽しい疫学
基礎から学ぶ楽しい疫学は読んでいて不思議と飽きない。
著者の中村先生がそういった工夫をされているので
読者は引き込まれます。
初学者にとっては最も読みやすく見やすい本でしょう。
難易度:★★☆☆☆
医学がわかる疫学
疫学の入門書としては多くの研究者が推薦する一冊。
医学部生は必ずと言っていいほど手にする機会があるそう。
疫学に触れる人は必ず読破しておきましょう。
難易度:★★★☆☆
疫学研究デザインとは?を学ぶためのおすすめ本
疫学の概要を学んだら次に進むべきは
『疫学研究のデザイン』の構築について。
疫学研究がもっとも重宝される理由、
それがデザインが厳格であるからです。
疫学研究のデザインを学ばずして
エビデンスは読めませんし
ニュースに右往左往する人生となります。
医学的研究のデザイン 研究の質を高める疫学的アプローチ
医学部生は必読の一冊。
臨床医となっても側に置いておきたい、そんな一冊です。
難易度:★★★☆☆
わかりやすいEBNと栄養疫学
著者の佐々木先生は東大の教授。
日本の栄養学の重鎮です。
日本人の栄養摂取基準などの策定に関わる先生です。
佐々木先生の書籍はとにかく面白く読みやすい。
専門家でなくても理解出来るレベルです。
難易度:★★☆☆☆
RCT大全
RCTとはランダム化比較試験のこと。
世の全ての薬などはこのRCTを経て承認に進みます。
そのRCTですが、
世のエビデンスレベルでは最も質の高い位に位置します。
RCTを知ることで
動物・ヒトに限らず質の高い実験デザインを組むことが可能です。
難易度:★★★★☆
政策評価のための因果関係の見つけ方 ランダム化比較試験入門
本書の最も評価すべきは
「ランダム化比較試験」以外の部分とも言われる。
しかし、読み物としてもとても質が高く
なぜランダム化比較試験が重要なのか、についても学ぶことが出来ます。
難易度:★★★★☆
みんなのEBMと臨床研究
この本は私が初めて疫学研究に触れたときに読み込んだ本です。
研究計画書の書き方から
外部資金獲得のための作法、
研究デザイン・解析方法など
ありとあらゆる疫学研究の知識を学ぶことが出来ます。
この1冊だけ完璧にするだけで
おおよそ大学院生は問題ないと言えます。
難易度:★☆☆☆☆
疫学研究に必要な統計を学ぶためのおすすめ本
疫学研究は研究デザインが決まれば
自ずと分析方法も固まります。
そのため、
このセクションは本来紹介すべきではないのですが、
初学者のためにおすすめの参考書を紹介致します。
基礎から学ぶ楽しい保健統計
「基礎から学ぶ楽しい疫学」の著者でおなじみの
中村好一先生の著書。
なんと言っても読みやすさに定評のある中村先生の本なので
これから疫学を始めるヒトには最も理解度が高まるでしょう。
難易度:★★☆☆☆
医学的研究のための多変量解析
疫学の強みである
解析手法と言えば『多変量解析』。
多変量解析を行うために設計された疫学研究デザインであるからこそ
疫学研究は政策にも重宝されるのです。
その多変量解析を学ぶためのこの1冊は
必読書と言っても過言ではありません。
難易度:★★★★☆
アドバンスト分析疫学 369の図表で読み解く疫学的推論の論理と数理
疫学の世界で最も権威のある大学と言えば、
○ハーバード大学公衆衛生大学院
そして
○ジョンズホプキンス大学公衆衛生大学院
この本はジョンズホプキンス大学公衆衛生大学院の
疫学コースの教科書である。
データの見方、
捉え方、考え方。
データに振り回されない思考をつけるには
最適な教科書と言えます。
難易度:★★★★☆
欠測データ処理: Rによる単一代入法と多重代入法
疫学研究では避けられない『欠測』。
あなたならどう対処しますか?
欠測が起こらない状況を作ることは重要ですが、
それでも起きてしまう、、、
そういった場合に知っておきたい『欠測値』の処理方法。
この本はRを使う人向けにおすすめです。
難易度:★★★☆☆
ちなみに著者の高橋先生は
Twitterでも情報発信されているので要チェックです!
「有意水準5%で検定するとき、帰無仮説を間違って棄却する可能性が5%あるなら、なぜ有意水準をもっと小さくしないのか」というのは、よくある質問です。実際に5%よりも小さな有意水準を好む人もいて、学術誌において、そのような提言がされたこともあります。(続く)
— 高橋将宜 Masayoshi Takahashi (@M123Takahashi) January 2, 2021
欠測データの統計解析
私は欠測値の取り扱いについては
この本で勉強しました。
Amazonのレビューでは酷評されていますが、
正直そこまで気づきません。。
淡々とすすめられるので
読みづらさは多少有りますが、
『欠測』の考え方については学べるのでおすすめです。
難易度:★★★★☆
疫学の実用例を学べるおすすめ本
このコーナーでは
昨今、ニュースで度々取り上げられる
著名な先生方の書籍を紹介します。
マジで読んで損しないラインナップです!!
世界一わかりやすい医療政策の教科書
著者、津川先生はUCLAの教授。
GoToトラベルに一石を投じるきっかけとなった論文を書かれた先生の1人です。
世界で活躍する日本人の代表格であり
医療が抱える問題を分かりやすく教えてくれます。
難易度:★★☆☆☆
考えることは力になる
著者の岩田先生は感染症対策のスペシャリスト。
かのダイヤモンドプリンセス号にも乗船した感染症専門医です。
難易度:★★☆☆☆
佐々木敏の栄養データはこう読む!
再度登場の東大教授、佐々木先生。
佐々木先生の書籍は読み物としても絶品です。
読んで後悔はしません。
難易度:★★★☆☆
学力の経済学
説明も要らないベストセラー。
学力の経済学は世界で蓄積された疫学研究の賜です。
本書の内容も抜群に面白い上、
疫学研究のデザインにも触れながら展開するので
お世辞抜きで面白いんです。
難易度:★☆☆☆☆
疫学おすすめ本17選のまとめ
疫学研究を学べるおすすめ本を一覧でまとめます。
疫学とは
①ロスマンの疫学 第2版
②基礎から学ぶ 楽しい疫学 第4版
③医学がわかる疫学
疫学研究デザインとは
①医学的研究のデザイン 研究の質を高める疫学的アプローチ 第4版
②わかりやすいEBNと栄養疫学
③RCT大全
④政策評価のための因果関係の見つけ方 ランダム化比較試験入門
⑤みんなのEBMと臨床研究
疫学研究に必要な統計
①基礎から学ぶ楽しい保健統計
②医学的研究のための多変量解析
③アドバンスト分析疫学 369の図表で読み解く疫学的推論の論理と数理
④欠測データ処理: Rによる単一代入法と多重代入法
⑤欠測データの統計解析
疫学の実用例
①世界一わかりやすい医療政策の教科書
②考えることは力になる
③佐々木敏の栄養データはこう読む!
④学力の経済学