バスケットボールは攻守がめまぐるしく変わるゴール型スポーツです。
「点を取っても取られたら負ける」
当たり前のことですが、「点を取られれば」負けます。
現代のバスケットボールの潮流は「超攻撃型」。
ゴールデンステート・ウォーリアーズが席巻したように3Pシュート全盛期となっています。
しかし我々は3Pの影で重要な部分を見落としています。
そう、『ディフェンス』です。
かの名3Pシューター、クレイ・トンプソン然り、PJタッカー然り、
クワイ・レナード然り、
名シューターである前に『名ディフェンダー』です。
今回は「ディフェンスが良い選手の特徴」を解説していきます。
記事の信頼性
●【最終学歴】東京大学大学院 (博士)
●【競技歴】中高全国大会出場、中学県選抜、高校少年男子(県選抜主将)、IH・ウィンターカップ出場、大学1部リーグ・インカレ出場、社会人日本2位
●【経歴】中学・高校バスケ部トレーナー
●【経歴】甲子園球児ストレングス指導
●【現職】大学教員
●【専門分野】運動生理学・健康科学・疫学ディフェンスが良い選手の特徴7選
ここからディフェンスがいい選手の特徴を紹介して行きます。
ディフェンスが良い選手は必ず「試合に使われます」。
その極意は後ほど。
ディフェンスが上手な選手は『コート内でよく喋る』
ディフェンスが上手な選手はコートの上でとにかく喋ります。
百聞は一見にしかず、こちらをご覧ください。
NBAの試合中の動画です。
2m、100kgを超す選手達がここまで大きな声を出してチームディフェンスに徹しています。
175cm60kg程度の日本の中学生が黙ってディフェンスして
何が相手にとって脅威でしょうか?
コート内で喋ることは
・背中を向けた仲間とのコミュニケーション
・状況判断(スクリーンなど)の対応
・相手への威圧
以上に於いて有効です。
むしろ、コート内で喋れない選手は『選手としての魅力8割減』です。
もちろん、
強豪校からも声はかかりません。
ディフェンスのスペシャリストは『ボールトレースが凄まじい』
ディフェンスのスペシャリストはボールトレースがとにかくしつこいです。
ボールトレースとは
ボール[ボールを]+トレース[追跡する]こと。
試合前のスカウティングで「この選手はボールトレースしないから貰ったら打て」と実際のゲームで指示が出るくらい重要な部分。
実際の動画を見てみましょう。
クワイレナード選手です。
見ての通り、ボールに対して常に手を使ってファールにならないギリギリのディフェンスをしています。
※ちなみにNBAは日本よりも「手」に対するファールの基準が高いため、ファールにならないギリギリってマジで「ディフェンスの神」です。
ディフェンスの名手はフィジカルが強い!
ディフェンスの名手と呼ばれる選手達は皆、屈強なフィジカルを持っています。
それもそのはず、
当たり負けしたらディフェンスなんて出来ませんよね?
バスケットボールをする上でフィジカルの強さは圧倒的な武器です。
鍛えて損はしません。
むしろ、鍛えないで損はします。
名シューターとして評判なクレイトンプソン。
彼はシュートよりも「ディフェンスの名手」として有名です。
ディフェンスの名手は自己犠牲をいとわない!
ディフェンスの選手は自己犠牲をいといません。
中学生にはなかなか理解が難しいかもしれません。
「自分を殺して、仲間を活かす。」
「自分が盾となって、仲間の攻撃チャンスを生み出す」
こんなイメージです。
例えば、ルーズボールやヘルプディフェンス。
バスケの記録には残らないプレーでとてつもなく"地味"です。
こういった自分を犠牲にして仲間を助ける姿勢がある選手は
他校や、高校、大学の先生から見て「良い選手」と言われる要因のひとつです。
ディフェンスの神様は『ボールへの執着心が人一倍』
ディフェンスの神様はボールへの執着心が常人の数倍あります。
奇しくも1月にこの世を去ったコービーブライアント。
彼はたぐいまれな得点能力だけでなく、鉄壁のディフェンスを誇るディフェンスの神様でした。
彼のボールへの執着心は「狂気」そのもの。
(※この動画のタイトル:コービーブライアント−ロックダウン−)
コービーに付かれたカイリーアービング、ウェイド、レブロンは全く仕事をさせて貰えません。
ボールへの執着心がとにかくバグってます。
ディフェンスの名手は『フットワークが車輪のよう』
ディフェンスが凄まじい選手は、脚に車輪が付いてるかの如くフットワークが優れています。
ディフェンスは後ろに下がりながら行う動作で
手を使って妨害は出来ない、と言う制約があるので
フットワークは鍛えないとダメです。
これもコービーですが、
オリンピックで相手ガード選手を完璧に押さえ込んだ動画です。
ディフェンスの名手達は『精神的に強すぎる』
ディフェンスの名手はとにかく諦めが悪く「精神的に強い」選手という特徴があります。
ディフェンは抜かれても点を取られるまでは『負け』じゃありません。
ボールをカットすること、
抜かれないこと、
これはディフェンスの目的ではありません。
あくまでディフェンスの目的は『自分たちのゴールを守る』こと。
リングにボールが通過しなければ"ディフェンスの勝ち"です。
※冒頭部分だけ
これもコービーの動画ですが、
抜かれても抜かれてもすぐに戻りカイリーを抑える。
まさに「ディフェンスの教科書」です。
なぜディフェンスが良い選手は試合に使われるのか?
ディフェンスが良い選手は試合に使われやすいです。
その理由は
『試合が崩れないから』。
ディフェンスが良い選手が1人でもコート内にいると
その覇気や声は伝染して相乗的に中もチームディフェンスが向上します。
そして、相手エースに付かせれば大量失点もありません。
ディフェンスが良い選手はボールへの反応も良いので
流れも引き寄せられます。
『記録に表れない』ところで活躍するのが
ディフェンスがいい選手の特徴です。
ディフェンスの鍛え方
ディフェンスの鍛え方について紹介します。
これをやったからと言って、明日からディフェンスの名手にはなれません。
"徹底した反復練習"
これをなくしてディフェンスは向上しません。
今回は"個人向け"のディフェンス練習を紹介します。
東海大諏訪高校 入野先生ディフェンスフットワーク
これは動画を見てください。
非常に参考になります。
ラダートレーニング
ラダートレーニングはアジィリティ(敏捷性)強化のためのトレーニングです。
詳細は【やらないと損!】ラダートレーニングで鉄壁のディフェンス力を身につけろ!【中学生必見】にも記載しています。
素早いフットワークを身につけるためには
素早く脚を動かすことが出来なくてはいけません。
チューブトレーニング
ニーベントウォークというチューブトレーニングを行います。
お尻の横の中殿筋は"脚を横に開く筋肉"。
ここを強くしないと力強いサイドステップが踏めません。
このメニューはマストです。
動画はなでしこジャパンチーフトレーナー広瀬統一先生(早稲田大学スポーツ科学部准教授)。
ディフェンスが良い選手の特徴まとめ
ディフェンスが上手な選手の特徴をまとめます。
この7つです。
言ってみれば"精神論"みたいなものです。
中学生のうちにディフェンスの意識改革を行わないと高校・大学で大変苦労しますよ。